東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: 学校教材発掘プロジェクト 5 江戸名所図会

江戸名所図会 20巻 巻之19 - 翻刻

江戸名所図会 20巻 巻之19 - ページ 52

ページ: 52

翻刻

【挿し絵】 天文十五年の秋(あき)小田原(おたはら)の 北条(はうてう)左京太夫(さきやうのたいふ)康(うちやす)むさし 野(の)小鷹狩(こたかかり)の時(とき)葛西(かさい)の 浄興寺(しやうかうし)に一夜(いちや)のやとりを もとめられ松風入琴と いへる和歌(わか)を題(たい)に にて詠(えい)せられ し事 武蔵野(むさしの) 紀行(きかう)に   見え     たり   松風の    吹こゑ      きけ   よも    すから  しらへ   ことなる    音こそ   かはら      ね    北条氏康

現代語訳

【挿絵】 天文十五年の秋、小田原の北条左京太夫氏康が武蔵野で小鷹狩りをした時、葛西の浄興寺に一夜の宿を求められ、「松風入琴」という題で和歌を詠まれたことが『武蔵野紀行』に見えている。 松風の 吹く声聞けよ 夜もすがら 調べ異なる 音こそ変わらね    北条氏康

英語訳

【Illustration】 In the autumn of Tenpun 15 (1546), when Hōjō Sakyō-no-Taifu Ujiyasu of Odawara was engaged in small hawk hunting in Musashino, he sought lodging for one night at Jōkō-ji temple in Kasai and composed a waka poem on the theme "Pine Wind Entering the Koto (Japanese harp)." This is recorded in "Musashino Kikō" (Journey to Musashino). Listen to the voice of the blowing pine wind throughout the night— though the melody differs, the sound never changes    Hōjō Ujiyasu