翻刻!草双紙の世界

コレクション: @chinjuさんと読む草双紙

化物見世開 : 2巻 - 翻刻

化物見世開 : 2巻 - ページ 11

ページ: 11

翻刻

みこし入道 よな〳〵かの ところへ でばりを しておう らいの人を おどし きん〴〵を うばいとる かめのこう よりとしの こうにて こゝろのま がつたやつと せうしき ものをよく みわけて めつたに やたらおと かさすまだ きのきかぬ はけものは せうしき な人をお どかして とんだめにあふせうし きもの□【ものゝ】かう 【左ページへ】 べにはかみ さまかやど つてごさる ゆへそこで はけものゝ おとかす ことならず それたから おこさまかた もうそは おつきなさん なせうしき にさへなさる ともゝん ぢいでも にうどう でもこはい  ことはない 【すぐ下の麦飯屋の台詞】 〽いつ ぱい あかり ませぬか【ここより62行目へ】 しかしおめへの あがるのはのとを とふるあいだが てへしのことでは ねへからまつているうち わるくするとあきない をしぞこないます【81行目へ】 【右ページ下、見越しの台詞】 これは したり もふちつ とはや くきな さると よかつた いま へんとう をつかう てしまつ たこのさ きのてう ちんこぞう がおめへを まつて いたつけ【53行目へ戻る】 【左ページ下、見越しの台詞】 〽こんやは したのてらに ひやくものかたり がある それへひけたら 見へて あき ないかこさり やせぬ

現代語訳

神輿入道は夜な夜なその場所へ出張って、往来の人をおどして金銭を奪い取る。亀の甲より年の功で、心の曲がった奴と正直な者をよく見分けて、めったにやたらとおどかさない。まだ気の利かない化け物は正直な人をおどかして、とんだ目に遭う。正直な者の後ろには神様が宿っていらっしゃるゆえ、そこでは化け物のおどかすことならず。それだから、お子様方もうそをおっしゃらず、正直でさえいらっしゃれば、桃太郎爺でも入道でも怖いことはない。 【麦飯屋の台詞】 「一杯上がりませんか。しかしお前の上がるのは、のどを通る間が大変なことではないから、待っている間に悪くすると商売を仕損ないます」 【見越しの台詞(右ページ下)】 「これはしたり、もう少し早く来なさるとよかった。いま返答を使ってしまった。この先の丁稚小僧がお前を待っていたっけ」 【見越しの台詞(左ページ下)】 「今夜は下の寺に百物語がある。それへ行けたら、見えて商売が堪らずやせぬ」

英語訳

Mikoshi-nyudo appears nightly at that spot, frightening passersby and robbing them of money. With the wisdom that comes with age (literally "older than a turtle's shell"), he can well distinguish between those with crooked hearts and honest people, and doesn't frighten people indiscriminately. Inexperienced monsters who frighten honest people get into terrible trouble. Behind honest people, gods dwell, so monsters cannot frighten them there. Therefore, if children don't lie and remain honest, they need not fear Momotaro's grandfather or nyudo demons. 【Wheat rice shop owner's dialogue】 "Won't you have a drink? But since swallowing doesn't take much effort for you, if I wait too long, I might ruin my business." 【Mikoshi's dialogue (bottom right page)】 "Oh my! If you had come a little earlier, it would have been better. I just sent my response away. The shop apprentice down the road was waiting for you." 【Mikoshi's dialogue (bottom left page)】 "Tonight there's a hundred ghost stories session at the temple below. If we could go there, the business would be so good we couldn't bear it."