翻刻
【右丁】
返〳〵もおんいち座の火事郎さん
五郎〳〵さんへくわ原さん飛ひのさん
よりよろしく〳〵〳〵〳〵
文して御見舞申上候べく候なまづ〳〵
その御地御 家(いへ)蔵(くら)さま御ふるひ御 自然(じねん)よ
ゆらせられ御動揺(ごどうよう)に御すでかく損(そん)じ候
扨とやるにし二日の夜はおん心にかけら▢
御げんの折からあひにくに信濃者の地震(ぢしん)
助(すけ)客(きやく)ゆり合せ万歳らく〳〵との御がたら
もいたさず御わかれの後は地(ち)の底(そこ)ぬしさま
御ことのみ思ひつゞけけふや御ゆらせあす▢
おんゆりあらんかと心にかけし苦(く)は病▢
五七が雨の夜もすがら六ッ八ッ風の吹▢
つけ候ても来ぬ人を松尾(まつそ)の浦(うら)の夫な■
焼やもゝほに身をこがし胸(むね)の煙(けふ)りとほ
ほのけむに身をふすぼりし思ひにてきも
たましひも身にそはずぶる〳〵として暮し候べく候
年月日此 杖(つえ)はしらともたのみ候
おんま衛■おざいもを今さらおんはこびあ■ず
候てはかうばりの手まへいきぢもはりもたてつゞ
【左丁】
【上段】
かずいつそ自身(じしん)にみをすてんと覚悟(かくご)は極(きは)め候
得どもさすが凡夫(ぼんぶ)の浅間敷(あさましく)命(いのち)ありての物
だねとながらへてさへありしならばゆるかぬ御代(みよ)に
逢瀬(あふせ)もやと生死(しやうし)ひとへかまゝならでせつなき此
身を御 救(すく)ひと思しめし只々ゆりかへし苦(く)げんの程
鹿島(かしま)の神(かみ)かけげんじ■■身支度(みじたく)の■
神あり月大安日
あわれし
おんがたへ
焼原江戸町
火先なんぢ門
御損じより
突出(つきだ)し部屋(へや)もち 昼夜三分
肉(にく)つき羽二重(はぶたへ)まんしう 御好次第
座(ざ)もち太鞁(たいこ)もち おじぎ百疋
繁昌亭
【下段】
《割書:北国|名代》座敷餅
ちん〳〵鴨ぞうに
揚づめ夜るしるこ
千客万来
仮宅繁栄
見勢びらき
当月初会さしなし
御披露
一御客様方益御機嫌能入らせられ珍重々
奉存候随而私義 旧冬(きうとう)類焼後(るいしやうご)仮宅(かりたく)出張(でばり)をかまへ名代(なだい)
座敷(ざしき)もちを始(はじ)め突出(つきだ)し部屋(へや)もちるゐ肉(にく)づき羽二重(はぶたへ)
まんぢう格別(かくべつ)風味(ふうみ)よろしきをゑらみ座(ざ)もちたいこもち
まで大安売(おほやすうり)仕候間 昼夜(ちうや)をかけて永当〳〵御来駕(ごらいが)の程
奉願上候もち論(ろん)余(あま)り分量(ぶんりやう)を過(すご)し召上られ候ては胸(むね)の
焼(やけ)をせうじ何程の金もちに候とも身(み)もちをくづし女ぼう
もちは焼(やき)もちのさわぎ出来(しつだ)し身生(しんしやう)を餅につき候間
あつさりとめいあがり末永(すゑなが)く御はこびの程伏而奉願上候以上
深川七場所
出張 仮宅屋売太郎
浅草山の宿花川戸
本宅 老乱屋新造