翻刻!草双紙の世界

コレクション: NDL鳥居清長

見通占 : 3巻 - 翻刻

見通占 : 3巻 - ページ 4

ページ: 4

翻刻

清兵へは おやぢの とうちう した しぶんとは ちがい さんど がさが かま ぼこ なり かわの ひき はごが【顎にかける紐のことか?】 きんの どう がね づくり【結ぶのではなく金具で止める?】 されとも しやう とく【生得】 じよ さいの なき もの にて なん でも かでも やりて みれども けいこした 事もなし とりゑには【取りえには】 よいむさし【まいむさし?】 でもおりはでも【おりは=簡易版の双六のような遊び】 とふ四文のでも【わずかの掛け金のものでも、の意味か】 ついにした事も なしこればつ かりはちゝも あんしねども【こればっかりは父も案じねども(心配しないが)】 江戸のにぎやかな とこか【ろ?】へかねをとりに よこせばくちの すくなるほど いゝつけられつがも ないそこに ちよさいのある【如才のある】 ものか江戸へも もふ二三ども でたからやるもん しやあござり ませぬさかとわ【さかとは=そうかと思えば?】 どらなどうつ【どらを打つ=放蕩する】 ものはとふした ものじや□つかふ【?】 わからぬと【?】 かふまんにてくだる【高慢にてくだる】 あしたか山や ふじのたかね ヤア ト ハア

現代語訳

清兵衛は 親父の 当中 とは 違い 三度笠 がさがさ 蒲鉾 なり 皮の 引き 顎紐が 金の 胴 金具 作り されども 生得 女性 のない 者にて 何でも かでも やってみれども 稽古した ことも無し 取り得には 良い舞いも、将棋も 織り葉遊びでも とう四文の賭け事でも ついにしたことも 無し こればかりは 父も 心配しないけれども 江戸の賑やかな 所へお金を取りに 行かせば、口の 少なるほど 言いつけられようも ない そこに 如才のある 者が 江戸へも もう二三度 出たから 「やるものは いらっしゃいません」 「そうかと思えば 放蕩などする 者はどうした 者じゃ 使う わからぬと 高慢にて下る」 足高山や 富士の高嶺 ヤア ト ハア

英語訳

Seibie is different from his father's time - with his three-cornered hat rustling, shaped like kamaboko (fish cake), leather drawstring chin strap made of golden metal fittings. However, by nature he has no interest in women, and though he tries everything, he has never properly studied anything. As for his talents - good dancing, shogi, oriha games, or even four-mon gambling - he has never done any of these. Only in this regard does his father not worry, but when sent to collect money in the bustling places of Edo, the less he speaks, the less he can be instructed. There, a shrewd person who has been to Edo two or three times already says: "There are no practitioners here." "Well then, those who engage in debauchery - what kind of people are they? Their usefulness is unclear," he says arrogantly as he departs. Mount Ashitaka and the high peak of Fuji Ya A To Ha A