翻刻
清兵へは
おやぢの
とうちう
した
しぶんとは
ちがい
さんど
がさが
かま
ぼこ
なり
かわの
ひき
はごが【顎にかける紐のことか?】
きんの
どう
がね
づくり【結ぶのではなく金具で止める?】
されとも
しやう
とく【生得】
じよ
さいの
なき
もの
にて
なん
でも
かでも
やりて
みれども
けいこした
事もなし
とりゑには【取りえには】
よいむさし【まいむさし?】
でもおりはでも【おりは=簡易版の双六のような遊び】
とふ四文のでも【わずかの掛け金のものでも、の意味か】
ついにした事も
なしこればつ
かりはちゝも
あんしねども【こればっかりは父も案じねども(心配しないが)】
江戸のにぎやかな
とこか【ろ?】へかねをとりに
よこせばくちの
すくなるほど
いゝつけられつがも
ないそこに
ちよさいのある【如才のある】
ものか江戸へも
もふ二三ども
でたからやるもん
しやあござり
ませぬさかとわ【さかとは=そうかと思えば?】
どらなどうつ【どらを打つ=放蕩する】
ものはとふした
ものじや□つかふ【?】
わからぬと【?】
かふまんにてくだる【高慢にてくだる】
あしたか山や
ふじのたかね
ヤア ト ハア
現代語訳
清兵衛は
親父の
当中
とは
違い
三度笠
がさがさ
蒲鉾
なり
皮の
引き
顎紐が
金の
胴
金具
作り
されども
生得
女性
のない
者にて
何でも
かでも
やってみれども
稽古した
ことも無し
取り得には
良い舞いも、将棋も
織り葉遊びでも
とう四文の賭け事でも
ついにしたことも
無し こればかりは
父も
心配しないけれども
江戸の賑やかな
所へお金を取りに
行かせば、口の
少なるほど
言いつけられようも
ない そこに
如才のある
者が 江戸へも
もう二三度
出たから 「やるものは
いらっしゃいません」 「そうかと思えば
放蕩などする
者はどうした
者じゃ 使う
わからぬと
高慢にて下る」
足高山や
富士の高嶺
ヤア ト ハア
英語訳
Seibie is
different from his
father's
time -
with his three-cornered hat
rustling,
shaped like
kamaboko (fish cake),
leather
drawstring
chin strap made of
golden
metal
fittings.
However,
by nature
he has no interest
in women,
and though he tries
everything,
he has never
properly studied anything.
As for his talents -
good dancing, shogi,
oriha games, or
even four-mon gambling -
he has never done
any of these.
Only in this regard does his
father
not worry, but
when sent to collect money
in the bustling
places of Edo,
the less he speaks,
the less he can be
instructed. There,
a shrewd
person who has been
to Edo
two or three times already says:
"There are no practitioners here."
"Well then, those who
engage in debauchery -
what kind of people are they?
Their usefulness is unclear,"
he says arrogantly as he departs.
Mount Ashitaka and
the high peak of Fuji
Ya A To Ha A