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コレクション: 養蚕の書

養蚕秘録 3巻. [3] - 翻刻

養蚕秘録 3巻. [3] - ページ 24

ページ: 24

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述(のべ)て裏(うら)には天命(てんめい)に処(しよ)する意(ゐ)をふくめたり  《振り仮名:昔-年|せきねん》愛(あいす)_レ笑(ゑみを)《振り仮名:蠶-家|さんかの》婦(ふ)《振り仮名:今-日|こんじつ》《振り仮名:辛-勤|しんきん》自(みづから)《振り仮名:養-蠶|やうさんす》《振り仮名:仍-道|よつていふ》不(ず)_レ愁(うれへ)_二羅(らと)  與(と)_一レ綺(き)《振り仮名:女-郎|ぢよらう》《振り仮名:初-解|はじめてとく》《振り仮名:織-桑-籃|しよくさうらん》 此 詩(し)は蚕業(さんげふ)の全体(ぜんたい)をいふ昔年(せきねん)愛笑(ゑみをあいす)蚕家(さんかの)婦(ふ)といふは蚕家(さんか)の《振り仮名:少婦(せうふ) |わかきをんな》平(へい) 日(じつ)無為(ぶゐ)の時をいふ昔年(せきねん)はむかしの事なれども年久(としひさ)しき以前(いぜん)の事にはあらざる べし只(ただ)蚕(かひこ)出(いで)ざる前(まへ)のゆるかせの時と見るべし愛笑(ゑみをあいする)にて少(わか)き女の意(ゐ)見(み)へたり今(こん) 日(にち)辛勤(しんきん)自(みづから)養蚕(やうさんす)とは文(ぶん)のとをりにて蚕の時節(じせつ)最中(さいちう)なり平生(へいぜい)は何の苦(く)も なくやすき身(み)なれども今(いま)養蚕(こがひ)最中(さいちう)なれば辛労(しんらう)多(おゝ)しとなり仍道不(よつていふらと) 愁羅与綺(きとうれへずは)仍(よつて)といふは上(かみ)の句(く)を引受(ひきうけ)ていふ義(ぎ)なりかく苦労(くらう)して蚕を養(やしな)へ ばこそ羅綺(らき)に事は欠(かゝ)ずといふ羅(ら)はうすもの綺(き)は綾(あや)のたぐひなり女郎初(ぢよらうはじめて) 解(とく)織桑籃(しよくさうらん)とは蚕業(さんげふ)成就(しやうじう)して莚(むしろ)桑(くわ)籠(かご)など取かたづくを解(とく)といふ籃(らん)は籠(かご)也    蚕(かひこ)の徳(とく)にて福者(ふくしや)と    なりし事 上州 碓氷郡(うすひごほり)に何某(なにがし)と かやいへる人 幼(いとけな)ふして 父(ちゝ)に離(はな)れ母(はゝ)につかへて孝(かう) 行(かう)なり元(もと)より家(いゑ)貧(まづ) しければ朝夕(あさゆふ)のけふりも 立(たて)かね妻子(さいし)とも飢寒(きかん) に苦(くる)しみ日(ひ)をおくりける 斯(かく)ては母(はゝ)をやしなふ 手便(てだて)もつき果(はて)行末(ゆくすへ)【コマ26へ続く】 【図中】 今年  より蚕 はじめぬ    小百姓   蕪村