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コレクション: 養蚕の書

養蚕秘録 3巻. [3] - 翻刻

養蚕秘録 3巻. [3] - ページ 9

ページ: 9

翻刻

心(こゝろ)がけ見れどもとかく 見(み)へがたく侍(はんべ)るなり と答(こたへ)ければせんかた なくてやみけるとぞ 按(あん)ずるに事(こと)は 馴(なれ)て知(し)るの理(り)あり 此 老女(らうぢよ)数年(すねん)の間(あひだ) 朝夕(あさゆふ)津居山(つゐやま)の嶺(みね)に 雲(くも)のかゝるを見馴(みなれ)て 天性(てんせい)自然(しぜん)に覚(おぼへ)しならん 養蚕(やうさん)の業(げふ)もこれにおなじ 一通(ひととをり)定(さたま)りたる法(ほふ)を覚へ(おぼ)て後(のち)は 日夜(にちや)我家(わがや)の陽気(やうき) をおぼゆること大事 なり陽気(やうき)は家々(いゑ〳〵) によりて異(こと)なるべし これを考(かんが)ふるに一 理(り) ありかならず半途(はんど)にて すつる事なかれ