翻刻
【右側】
依恋《振り仮名:入|イニナシ【朱】》苦心といふ心をよめる 源仲頼
しるらめや《振り仮名: |つらしイゝ【朱】》とかきしすみの色を《見せ消ち:衣にそめて|衣にそめて【朱】》思ひたつとは
法印慈円
恋ゆ《見せ消ち:へ|ゑ【朱】》に世をそむきぬとしらすなよあはむといはゝさめも社すれ
恋妨𬻀といふ心をよめる 勝真法師
したもえのこひのけふりも立そひて心の月はいつかはるへき
加茂卅講五巻日重保か家にて恋変道心といふこと
を人〳〵よみ侍りけるに 前大僧《見せ消ち:印|都》澄憲
さりともとたてし錦木こりはてゝけふお《見せ消ち:ふ|ほ【朱】》はらにすみ染の《振り仮名:袖|身そイ【朱】》
皇太后宮大進
待かねてこひなくさめにみる月のやかて心をにしへいさなふ
題不知 八条院六条
【欄外上部】
苦は𬻀の謝なるへし
𬻀は菩提なり龍龕
手鑑に見えたり
【左側】
あひおもふ人たにそはぬ後の世《見せ消ち:を|に》こひやかはらぬ友となるへき
祈神増恋といふことをよめる 俊恵法師
此世には契なしとて《振り仮名: |中々にイ【朱】》こひし《見せ消ち:く|ねとイ【朱】》する神のしるしか
示現をたのむ恋といふことを 皇太后宮大進
よめる
おもひ《振り仮名:かね|ねのイ【朱】》しるし《見せ消ち:も|イナシ【朱】》みえぬる夢なれはあはすることも神にまかせん
身のほとをおもひていひいたさゝる恋といふことをよめる
小侍従
さる沢の池になひきし玉もこそかゝるなけきのはてと《振り仮名:きゝ|きえイ【朱】》しか
大納言実房
おもひあま《見せ消ち:る|りイ【朱】》いはむに人のつれなくていとゝうきみの程やし《見せ消ち:るら|られんイ【朱】》ん
女につかはしける 藤原隆房朝臣
千【朱】
おなしくはかさねてしほれぬれ衣さてもほすへき《振り仮名:《振り仮名:思ひ|なみたイ【朱】》ならぬに|なきなならしを千【左朱】》
【欄外上部】
夢あはせをやかて
おもふ人に逢はする
にいひよせたり
拾遺哀傷
さる沢の池にうねへの
身なけたるをみて
人丸
わきもこかねくたれ髪
をさる沢の池の玉も
とみるそかなしき
又大和物語にくわし
くみえたり此故事を
おもひよせしなり
ぬれ衣