翻刻
【右側】
仁和寺二品《振り仮名:法|イナシ【朱】》親王
さよふけてしのふけしきのしるき哉きり立かくす星合の空
藤原顕家朝臣
あふことをまれにちきりて七夕の我心からみを《振り仮名:こ|おイ【朱】》かすらむ
賀茂重保
ほし合の空にはれゆくうき雲やきぬ〳〵になる天の羽衣
藤原清輔朝臣
風雅【朱】
おもひやる心もすゝしひこほしのつままつよ《振り仮名:る|ひ風イ【朱】》のあまの川かせ
藤原資隆朝臣
としをへてなにをおるらんたなはたのあはぬなけきをたてぬき
にして
法眼定快
天川たな引雲やひこほしのとわたる舟のつなてなるらむ
【欄外上部】
新古今秋上
入道関白太政大臣
いか斗身にしみぬらん
棚機のつま待よひの
天の河かせ
【左側】
俊恵法師
あふをこそまたもなからめとしの内にふみたにかよへかさゝきのは
し
大江公景
ほともなくあけむなけきや七夕のまつ《振り仮名:|む歟【朱】》つことや初なるらむ
源季貞
たなはたのまれにあふよのむつことはあまの河なみかすもしらしな
源俊頼朝臣
たなはたの天川せのいはまくらかはしもはてすあけぬこのよは
道因法し
七夕の雲の衣をかさねきてうれしきにさへ袖やぬるらむ
海辺七夕といふことをよめる 法眼長真