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【右側】
としのうちに春はたちきぬいつかたに残るひかすを思ひわかまし
内大臣家に人〳〵百首の歌よみ侍りけるに山家立春
といへることを 小侍従
とけぬなるかけひの水の《見せ消ち:を|お》とつれに春しりそむるみ山への里
春池波静とい《見せ消ち:へる|ふ》《見せ消ち:こと|こゝろイ【朱】》を 中原有安
よめる
霜かれのあしまのつらゝうちとけてのとかにすめるこやの池水
はるのはしめの歌とてよみ 覚延法し
侍ける
何となく春立けふのうれしきはおもへは花のゆかりなりけり
子日をよめる 顕縁法し
それをとてわきてはひかしこ松原いつれは千代のためしならすや
む月七日雪のふりけるに三河内侍かもとへつかはしける
【左側】
参議経盛
夜もすからふるしら雪《振り仮名:は|そ歟【朱】》つみてける君かためにと《見せ消ち:つめる|おもふ》わかなを
かへし 参河内侍
春きてもまたふる雪のしく草はとけぬ心のたくひなりけり
霞をよめる 中原定安
春くれはとやまの霞立こめてけふりたえゆく小のゝすみかま
中原定邦
うきことをへたつときかはいか斗かすめる空のうれしからまし
関《見せ消ち:ち|路》《見せ消ち:かすみ|霞》といふことをよめる
伊余法し
みちのくの衣のせきをきてみれは春はかすみそ立へたてける
正月に雪のふりける日申つかはしける