賀茂社関係文書翻刻プロジェクト

コレクション: 賀茂社関係文書(NDL所蔵)

月詣和歌集 - 翻刻

月詣和歌集 - ページ 59

ページ: 59

翻刻

【右側】 としのうちに春はたちきぬいつかたに残るひかすを思ひわかまし   内大臣家に人〳〵百首の歌よみ侍りけるに山家立春   といへることを        小侍従 とけぬなるかけひの水の《見せ消ち:を|お》とつれに春しりそむるみ山への里   春池波静とい《見せ消ち:へる|ふ》《見せ消ち:こと|こゝろイ【朱】》を 中原有安              よめる 霜かれのあしまのつらゝうちとけてのとかにすめるこやの池水   はるのはしめの歌とてよみ   覚延法し              侍ける 何となく春立けふのうれしきはおもへは花のゆかりなりけり   子日をよめる         顕縁法し それをとてわきてはひかしこ松原いつれは千代のためしならすや   む月七日雪のふりけるに三河内侍かもとへつかはしける 【左側】                  参議経盛 夜もすからふるしら雪《振り仮名:は|そ歟【朱】》つみてける君かためにと《見せ消ち:つめる|おもふ》わかなを   かへし            参河内侍 春きてもまたふる雪のしく草はとけぬ心のたくひなりけり   霞をよめる          中原定安 春くれはとやまの霞立こめてけふりたえゆく小のゝすみかま                  中原定邦 うきことをへたつときかはいか斗かすめる空のうれしからまし   関《見せ消ち:ち|路》《見せ消ち:かすみ|霞》といふことをよめる                   伊余法し みちのくの衣のせきをきてみれは春はかすみそ立へたてける   正月に雪のふりける日申つかはしける