賀茂社関係文書翻刻プロジェクト

コレクション: 賀茂社関係文書(NDL所蔵)

月詣和歌集 - 翻刻

月詣和歌集 - ページ 60

ページ: 60

翻刻

【右側】                   法眼定快 かゝる世にふるはうけれとけさやな《見せ消ち:と|ほ》心もはるの雪をなかむる   返し             藤原重頼   よの中にふるかひもなき我みにはむかしの春の雪そこひしき                  勝命法師 草はにはまたゆき消すあは《見せ消ち:す|つ》のゝすくろのすゝきなのみ成けり   近衛大皇太后宮風【朱】   大宮に紅梅をまゐらせてはへりけるかつきのとしの   はる花のさきたりけるをこれみよとてたまはせたり   けるにゆひつけられたりける 風【朱】           風よみ人しらす【朱】 うつし植し色かもしるき梅花きみにそわきてみすへかりける               前風【朱】   かへし          参議経盛 風【朱】 うつしうゑし宿の梅ともみえぬかなあるしからにそ花も咲けり 【左側】   題しらす         隆寛法師 人毎にたもとにしめてかへれともつきぬは梅のにほひ也けり   高倉院かくれさせ給ひたりけるとしの春梅の《見せ消ち:はな|花》   につけてつかはしける   中納言実守 うめのはな色はむかしにかはらねと涙のかゝるはるはなかりき   かへし          大納言実房 玉葉【朱】 いかにかくうきよ《振り仮名:ならして|をしらて玉【朱】》梅のはなことしもおなし色にさくらん   家の梅のさかりにはへりける頃友たちの《振り仮名:すき|過【朱】》けるかおと   つれさりけれはよみてつかはしける                高階業重 すきて行きみゆ《見せ消ち:へ|ゑ》にこそしられぬれ梅の立枝もあるしからとは   水辺梅花といふことを   賀茂重中            《振り仮名:よめる|イナシ【左朱】》 【欄外上部】 風雅雑上  藤原教兼朝臣 春風のこゝろのまゝに さそへともつきぬは梅の にほひ也けり 後拾遺哀傷  源信宗朝臣 いにしへのなにはの事は かはらねと涙のかゝる たひはなかりき