賀茂社関係文書翻刻プロジェクト

コレクション: 賀茂社関係文書(NDL所蔵)

月詣和歌集 - 翻刻

月詣和歌集 - ページ 64

ページ: 64

翻刻

【右側】 千載 家集【朱】 もろ人の花さく春をよそにみて猶しくるゝはしひしはの袖   よをそむきて又のとしはなをみてよみ侍りける                  寂然法し 千【朱】 此はるそ思ひはかへす桜はなむなしき色にそめしこゝろを   経正朝臣賀茂の臨時の祭の舞人にて侍りけるに   清輔朝臣は《見せ消ち:信|陪イ【朱】》従にて《振り仮名:待|侍イ【朱】》まゐれりけるを《見せ消ち:いかに》   いかにとたつねたりけれは大田にま《見せ消ち:い|ゐ》りて思ふこゝろのへ   申つるなるとてよみてつかは  藤原清輔朝臣              し《振り仮名:・|たりイ【朱】》ける かくれぬにしつむかはつはやまふきのはなのをり社ねはなかれけれ   返し             平経正朝臣 年ことのはるにそあはむかくれぬにしつむかは《見せ消ち:す|つ【朱】》と何なけくらん   やよひのつこもり比春日社に行幸侍りけるにし 【欄外上部】 千載哀傷 大炊御門右大臣かくれ侍りて後七月七日母の三位のもとにせうそこのついてにつかはしける  権大納言実家 棚機にことしはかさぬ 椎柴の袖しもことに 露けかりけり  かへし 三位 しひ柴の露けき袖は たなはたもかさぬにつ けはあはれとやみん 般若心経云色即是 空々即是色 或云俗なりしほとに 世のむなしき色に 迷し心此春そひ るかへせしと出家を 悦心なるへし 【左側】   とみやのまへにはなのちりのこりけるをみてよみ   はへりける          参議通親 めつらしきけふのみゆきを待とてや花も梢にのこるなるらん   山吹をよめる         中原定安 山河のいはまの水ははやけれときしの山ふきかけそなかれぬ   法勝寺へ御かたゝかへの行幸はへりけるとき春残二日   といふことを人〳〵つかうまつりけるによませたまへる                  二条院御製 千【朱】 われ《振り仮名:《振り仮名:は|もイ【左朱】》さは |もまた千【朱】》春とゝもにやかへらましあすはかりをはこゝにくらして   友たちのひさしくとひはへらさりけれはやよひのつ   こもりにつかはしける     法印静賢 見しひとも今はとひこぬ山さと《振り仮名:に|をイ【朱】》はるさへすてゝいつち行らん 【欄外上部】 しとみや