賀茂社関係文書翻刻プロジェクト

コレクション: 賀茂社関係文書(NDL所蔵)

月詣和歌集 - 翻刻

月詣和歌集 - ページ 65

ページ: 65

翻刻

【右側】   三月尽をよめる        藤原顕家朝臣 なこりなくはなちりはてゝ行春の何のゆかりにをしき成らん   まつりの《見せ消ち:つかへ|かへさイ【朱】》の日いつき殿にまいりたりけれはをかし   けなるはしたものをこれみよとていたされて侍り   けれはかへりてあふひにかきて女につかはしける                  賀茂成助 いとゝしく神をそたのむあふひ草思ひかけつるしるしあらせよ   物申ける女の山里にはへりけるところにたつねて   まかりたりけれはきたるはうれしけれともけふはあ   ふましきなるかきねのうの花を見てなくさめて   かへり《見せ消ち:ぬ|ね》と申いたしたりけれはよめる                  法橋実雲 【左側】 いとはるゝ身をうの花の露けさやあはぬなけきの涙なるらん   上西門院仁和寺に《振り仮名:◦|まう歟【朱】》ておはしましけるころ《振り仮名:左大将|後徳大寺左大臣万代【朱】》の   もとより山ちかきすみかにはほとゝきす人よりさきに   きゝつら《見せ消ち:なむ|んな》といひつかはしたりけれは《振り仮名:よめる|イナシ【朱】》                  兵衛 上西門院兵衛続千【朱】 続千 万代集【朱】 あけかたにはつねはきゝつ時鳥まつとしもなき老のねさめに   題しらす           源季貞 はつ声をわれに聞せよほとゝきすまつかひありと人にいは《振り仮名:せ|なイ【朱】》ん   物おもひはへるころほとゝきすを聞てよめる                  大江公朝 世の中をう月の空にほとゝきす過にしかたを忍ひねそなく   夏草をよめる         中原久盛