翻刻
【右側】
夏草はしけりにけりなみかりのゝのもりのかゝみかけ《振り仮名:そ|もイ【朱】》見ぬま《振り仮名:に|てイ【朱】》
五月雨をよめる 良一法師
五月雨にいりえのみかさまさりつゝからぬにみえぬまこも草哉
夏月をよめる 賀茂重房
さやけさをなかむる空は夏のよ《振り仮名:の|もイ【朱】》なにたつ秋の月にかはらす
藤原有実
夕立のはれぬとすれはいたまあらみもりかはりぬる月の影哉
蔵人にてはへりけるにあまこひのつかひにて雨ふら
して大内にまいりけれは定長大膳亮蔵人にて
くれなゐの御衣をとりてかつけて侍りたりけるかた
に《見せ消ち:つ|か【朱】》けていつとてよみ侍りける
平広盛
【欄外上部】
新古今恋五よみ人しらす
はしたかの野もりの鏡
えてしかなおもひおもはす
よそなからみん
此歌いと古きうたなる
よし袖中抄にもいへり
又袖中抄に古伝説を
引て野に有水を野
守鏡といふよし見えたり
拾遺愚草上
わかしめし玉江のあしのよをへては
からねとみえぬまこも草かな
あまこひのつかひ
【左側】
みとりなる衣の色はそれなからあけのたもとをかさぬへしやは