賀茂社関係文書翻刻プロジェクト

コレクション: 賀茂社関係文書(NDL所蔵)

月詣和歌集 - 翻刻

月詣和歌集 - ページ 69

ページ: 69

翻刻

【右側】 まてしはしいそきなふ《振り仮名:り|け歟【朱】》そ秋の月たくひのよはも一《見せ消ち:□|夜》過にき   残きくねやに薫といふことを  平康頼             よめる ふきくなりかれたる菊のあたりよりねやなつかしき木枯の《見せ消ち:もり|風》   大納言公通卿家十首歌中に残菊をよめる                  従三位頼政 しらきくの又さけるかとおとろけは霜の下にそ色はありける                  祐盛法し 白きくとみせつるしもの消ゆけはふたゝひ咲て又そうつろふ   のこりのきく人をとゝむ《見せ消ち:る》  院因幡 花にこそかへらんことはわすれしを冬のまかきの菊もありけり   潤九月九日よみ侍ける     藤原家長 我やとのまかきにうゑし白菊をふたゝひつむやことし成らん 【欄外上部】 たくひのよはは八月 十五夜をさせる也 上文霜のしたにも むしは鳴けり 【左側】   擣衣を            参議通親 わか袖のしもはらふま《振り仮名:も|をイ【朱】》から衣うちたゆむとや人のきくらん                  勝命法師 から衣してうつゝちのとく〳〵と山ひこさへもいそくなるかな   重保か家にて海辺《見せ消ち:の》擣衣といふことを人〳〵よみ   侍りけるに          覚綱法し はしたての松ふくかせにおとろきていねのあま人衣うつなり   題しらす           前大僧正覚忠 千【朱】 ときはなる青はの山も秋くれは色こそかへねさひしかりけり   歌林苑にて《見せ消ち:勤|対》山待紅葉といふことをよめる                  静暹法し みるたひに色つきなまし山の《振り仮名:は|葉端兼【左朱】》にかゝる《振り仮名:衣|心歟【朱】》のしくれなり《振り仮名:けり|せは歟【朱】》 【欄外上部】 後拾遺秋下伊勢大輔 さよふけて衣してうつ声聞けは いそかぬ人もねられさりけり 浜臣云八雲抄に してはしけくうつ也 云々書紀古事記ともに垂の字 をよめりたれの当てなれは也 意通ふへし擣衣のおとの とく〳〵とひゝくを疾々の 意にいひかけたりとおほゆ されはこそ山彦さへもいそく とつゝけし也 名寄丹後長明 わかめかるよさの入海 霞ぬとあまにはつけよ いねのうら風