翻刻
【右】
散つもるこの葉かうへに霜おけはあさきよめ《振り仮名:する|せしイ【朱】》庭のおも哉
権律《振り仮名:師|師》忠快
草のはにすかりし露はけさよりやあさおく霜に置かはるらん
哀傷
イ本一行闕【朱】
かりの歌かきつけて侍りけるあふきのかたはらに
かきつけゝる 藤原伊綱
かくはかりはかなくみゆるかりのよにのこるつらさもおもひける哉
平貞能あつまのかたしつめにまか《見せ消ち:れ》《振り仮名:り|れ【朱】》けるか入道大
いまうちきみのかくれ《見せ消ち:させ》給ひけることをしらて
さま〳〵の事いひあけて侍りけるによめる
源季貞
【欄外上部】
寿永二年七月十四日肥後守
貞能鎮西の叛反たひらけて
上洛せるよし平家物語にみえたり
後撰哀傷あつとしかみまかりにけるをまたきかて東より馬をおくりて
侍りけれは 左大臣
またしらぬ人もありけり東路に我も行てそすむへかりける
此歌によりてよめる也
【左】
東路にゆきてすまんといひおきし人もかくこそかなしかりけめ
仁和寺法親王かくれ給ひて御忌に月あかりける
に 法印元性
こそ見しにかはらぬ月のいかなれはくもらぬ空におほろ成らん
高倉院女房さまかへて後いくほともなくて院も
かくれさせたまひけれはいひつかはしける
大納言実国
てるつきをみすてゝ出しことはりは雲かくれぬる今こそはしれ
【欄外上部】
此歌家集に見えす