翻刻
【右】
のをもとりあつめて五部大乗の《振り仮名:れうし|料紙【朱】》にすきて
経しゆにし侍りけるにそのこゝろのうたよませ侍り
けるに譬喩品の心をよめる
泰覚法師《割書:法橋泰尋子【朱】|千載作者法橋【朱】》
《振り仮名:のり|乗法兼【左朱】》えてそ《振り仮名:おもひ|思火兼【左朱】》のほかに出にける心にかけしくるまならねと
《振り仮名:をとこ|夫【左朱】》のみまかりけるに一品経すゝめて《振り仮名:しやく|釈か説【左朱】》し
けるに譬喩品の心をよめる
賀茂重保か母
すゝめいたすみつの車のわつかにもみちひかれぬと聞よしも哉
信解品年已朽邁の心をよめる
快玄法し
花さくをよそにおもひし朽木にもつひに《振り仮名:このみ|此身菓兼【左朱】》はなりける物を
【左】
五百品のこゝろをよめるせ
平経正朝臣
玉【朱】
衣手にありとしりぬるうれしさに涙の玉をか《見せ消ち:へ|け》そ《振り仮名:かへ|そへ玉葉【朱】》つる
賀茂重保雨のいのりに人〳〵をよひて御社の
宝前にて歌を誦しけるにしはしありて雨
のふりて侍りける悦に一品経《振り仮名:しやう|誦【朱】》して法楽
したてまつりけるに提婆品の心をよめる
皇太后宮大進
わたつみの玉もかりあくるかひありてしつむみく《振り仮名:つ|りイ【朱】》もうかひぬる哉
《振り仮名:我|譏イ【左朱】》所一品経しやくに提婆品心をよめる
顕昭法し
谷水をむすへはうつるかけのみや千《振り仮名:とせ|とせ歟【朱】》をおくる友と成けむ
【欄外上部】
浜臣云下文一品経しゆし侍り
けるに云々とあるをむかへおもへは
しやうもしゆの訛かさらは修の
字なり又上文にしやくしける
とあれはこゝもしやくの訛にて
釈歟