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コレクション: STAGE1

山中温泉縁記并ニ入浴之心得 - 翻刻

山中温泉縁記并ニ入浴之心得 - ページ 6

ページ: 6

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御辺(ごへん)の来られしにそ幸ひなれ速かに温泉を開基(ひらき)し諸 人の助けとなし給ふへし汝われを誰とか思ふ医王善 逝の薬師如来なりゆめ〳〵疑ひなす事なかれ此湯を 開かはもとの如く湯にまへに跡をとゝめて守護すべ しと言捨(いゝすて)て白雲に打乗(うちのり)て東をさして去給ふ 信連奇異の思ひをなし軈て此湯を開基しけるに葦 原の流より御丈九寸はかりの薬師の尊像を掘出し奉 るこれ昔行基僧正 草創(さうさう)の時みすから彫刻ありて温 泉の本尊とあかめ給ふ御仏ならん不思議なる哉地 中に埋れさせ給ひて二百年の星霜をふると雖も尊像 全くしてすこしも損(そん)ずる事なく現れさせ給ふはあり 難くこそ覚えはんへれとて則一宇を再建し国分山 医王寺と号し本尊守護のため湯本に十二舎を営み て講中となつけそれより辻小路を通し家造りて貴 賤高下(せんかくげ)の便とし今に連綿繁栄するは医王善逝薬 師如来の恩沢とも云つへし 薬王寺蔵版印