翻刻
おこすは陰部はあたゝむれば尚ひゆるものなり
此浴方は松本陸軍軍医総監のをしへなり慎んでまもり
給ふべし
《割書:順|印》 《割書:□|□》
凡湯に入るべき次第は先下流のぬるき所にてふかき薬師瑠璃光如来を念じ奉るへし
一出湯諸国にありといへとも寒熱等分の湯は此湯なる
べし気力相応に浴する時は冷をあたゝめ風をさり
血経をたゞし気力を引立て痰気を止め痛所を
治する事此湯の徳に超るはなしかゝる薬なれはとて
我気分限りを知らず多く浴るによりて力弱て
悪し酒は諸の薬なれとも過るによりてどくとな
るよく〳〵つゝしむべし
一瘡気には下湯のぬるき所へ入るべしあつき所は
あしきなり
一湯治の間は酒にすぐる事悪し煖て少しにては苦
しからず殊に湯に入るさまに呑へからず
一湯治に中は常々心を慰めいかにも緩々〳〵と身
を持べし
一ぬれたるゆかたはやがて替るべし