翻刻
所甚だ多し△不忍池弁天社無異境破損当社地は池中|孤(はなれ)嶋なれ共同所四
方は甚だ揺強くして上野池の端までの間は崩所甚だ多し
【丸に丗二】池の端仲丁此辺|最揺強(いとゆれつよく)くして家庫とも安体なるは少し然れども仲丁通は
前年焼失家居新造ニ付崩所はなし近辺古家の分は多く崩△同所茅丁
壱丁目弐丁目|堺稲荷(さかいいなり)まで焼る但し西方松平備後様御門外構安寺門前迄焼
東方池の端限やける△同北方根津権現社内所〻破損
【丸に丗三】根津権現本社無異境内所〻破損同七軒丁三丁焼る此辺武家町家崩所
多く焼失同前也同所|曙里千駄木(あけほのゝさとせんだぎ)下丁権太坂辺迄大破損|最(もつとも)多し
【丸に丗四】下谷坂本丁壱丁目大破損二丁目より両側焼東方たこ善横丁迄焼る小野
|照(てる)明神前ニて止る西方三丁目横御|箪笥(たんす)丁西方|前裁場(せんざいば)迄焼る北方は同四丁
目焼る△同所|東叡(とうえい)山御領地同所西念寺西蔵院永称寺千歳院要傳寺同西北
方御行松の辺迄大破損ニて焼失も同前也△金杉辺武家方小屋敷民家とも
【図中】 一登斎
芳綱画
凡今度の変動(へんどう)につき
家倉(いへくら)の破損(はそん)は限(かぎり)なし
尓(しかる)に神田|本郷(ほんがう)湯島の辺(あたり)は
水場(みつば)にあらざるゆへ味噌屋
の糀室(かうじむろ)多し他国(たこく)は陸室(おかむろ)にして
築上(つきあげ)たるゆへ地震にて破損する
とも崩潰(くづれつぶれ)る等はすくなかるべし