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コレクション: STAGE7

風俗畫報臨時増刊第百九十七號 明治三十二年八月諸國災害圖會 - 翻刻

風俗畫報臨時増刊第百九十七號 明治三十二年八月諸國災害圖會 - ページ 26

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【左側上段】 見(み)たり。 ▲田の浦附近 池田屋支店|柳下亭等多少(りうかていとうたせう)の損害は免れざる中 に。風景楼(ふうけいらう)は殊に甚だしく。其海水浴場を怒涛に掠(かす)め去られた る上本家にも少(すくな)からざる損害を受けたり。尚ほ此附近道路の破 損せし為め殆んど通行(つうかう)もならぬ程なり。   (挿画参看) ▲磯方面の被害 永安橋の欄干は東方に面する分尽く土台より 吹飛ばされ男爵島津忠備邸の前は。長さ三間余も土台(どだい)より洗(あら)は れ車馬(しやば)は固より人の往来(わうらい)さへ辛ふじて出来得るほどにて。夜中 など殊に危険(きけん)なり。又男爵島津珍彦邸は。殊に被害(ひがい)甚だしく。 二階は全く破損(はそん)し。其他も相応(さうおう)の損所ありしかば同邸の方々は 忠備男の邸に移(うつ)らるゝ等。甚だ困難(こんなん)せられたり。夫れより琉球 人松辺も相応(さうおう)の破損(はそん)あり。磯天神前に目下築造(もくかちくぞう)中なる波止場は 半(なかば)ば大破に及び又同天神社の風景(ふうけい)を添へて殊に勝れての観物(みもの)な る。二本の大松の内。一本は根より折れて。磯辺(いそべ)に落ち掛り。 又元集成館下より磯島津邸前等の破損(はそん)殊に元油屋下の破損は非 常に甚だしく。数百間の間は車の通行も出来(でき)ざるのみならず。 鉄道線路(てつだうせんろ)にも余程の損害を及ぼしたり。 ▲柳町通の模様 柳町通(やなぎまちどほり)には五六軒の倒家(たほれや)あるのみ。但し半 潰れは他と同様(どうやう)なり。又た高野山の損害は意外(いぐわい)に手重し。 ▲老松倒る 南泉院馬場の老松は場所と云ひ随分名高(ずゐぶんなだか)かりしが 中腹より折らる。惜(おし)いかな。 ▲県庁 屋根瓦(やねかはら)は飛び塗壁は剥げ。硝子窓は破れ。殊に知事官 房及び第三課第四課は損害甚(そんがいはなはだ)しく。第五課の如きは雨漏り劇 しくして殆ど執務に堪へざる有様(ありさま)なり。 ▲県会議事堂 屋根外壁等|非常(ひじやう)の破損(はそん)なり。 ▲市役所 は破損意外(はそんいぐわい)に多く。二階の家根瓦を吹剥ぎて。議場 の天井(てんじやう)東南隅五坪許并議員控席の天井五六坪は雨(あめ)に浸(ひた)されて 【左側下段】 痛く破損(はそん)し外部の壁も数個所|剥落(はくらく)して見る影もなき有様なる が。階下(かいか)なる第一課の戸籍係(こせきがゝり)第二課の財務係の席などは。硝子 障子を吹外(ふきはづ)して。書籍散々に雨に打たれ狼藉(ろうせき)を極めたり。 ▲警察本部及税務管理局 は共(とも)に比較的破損(ひかくてきはそん)尠なく。屋根瓦及 び壁等損(かべとうそん)じて。所々に雨漏り等ありしに過ぎず。 ▲巡査教習所 被害最(ひがいもつと)も甚しく。家は傾き家根瓦(やねかはら)は過半飛去り 壁は四方共に破れ単に倒潰(とうくわい)を免れたりと云ふ丈にて。到底用に 立べくも思(おも)はれさるなり。 ▲巡査派遣所 市内の同派遣所は。何れも多少の破損(はそん)を受けざ るはなきも。武之橋側の派遣所は壊倒(くわいたう)したり。 ▲監獄署 非常の被害にて石塀(いしへい)五十四間板塀六十間余破潰し。 監房、病監、会議室、事務所、人民控所(じんみんひかへじよ)、暗室、被服倉庫、教誨 堂等皆屋根瓦は吹き去られ。硝子窓(がらすまど)は破れ壁張紙等剥げ損じ居 れり ▲鉄道作業局 は家屋倒潰し掛り員は帳簿其他(てうぼそのた)の取調べにて困 難し居れり。 ▲第四十五連隊 歩兵(ほへい)第四十五連隊は営舎宏大なるを以て。被 害も少なからぬと思ひしに。矢張り世間並(せけんなみ)に棟毎に瓦も吹き去 られ硝子(がらす)も破れ居れり。又縫工靴工所は天井を吹き落(おと)され。尚ほ 近来漸く竣工(しゆんこう)の将校集会所の附属舎。即ち将校の撃剣(げきけん)場は破損 を被(かほ)むり。尚ほ目下工事中の第三大隊の営舎(ゑいしや)上棟の侭なりしを 二階の上は吹き倒されて。意外(いぐわい)の損害を来たせり。 ▲肥料会社 鹿児島合資会社 (小川町)の第三号|肥料堆積場(ひれうたいせきば)は 余程破壊(よほどはくわい)し。牛骨馬骨の雨にぬれて。臭気を発すること甚だし く。其辺(そのへん)殆んど鼻持(はなもち)もならぬ程なりき。 ▲電燈会社 十四日午前零時四十分なりき。当電燈会社(とうでんとうわいしや)の小山 田|発電所(はつでんしよ)に於ては。送電(そうでん)を停止したるが。別に危険の兆あるに