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北雨の士此地へ流れつれ〳〵のあまり沼にのぞみて
一釣をたれしに深林より鮫出て毒気を吹かけ小宮何
某を取らんとす勇気ある人にて帯刀を抜て唯一刀ニ
切殺し家にある然れ共数日ならすして死せり海に
毒気に当りしものならん里人哀れみて此所ニ葬り
其中に植重く板ニ而初其小宮板といひし木なるといふ
いつの頃よりか毎梅には響ありて願ひことの叶ふ迚弟に
は歯のいたみを治るとて楊枝を以参詣七子故に木の
下に楊枝数百本あり其外の願望も叶ふ迚是は繁田
の棲也吉原抔の傾城たり自分請ることならぬ故に影
ことを州にしるし代参をゐてる其文を木の枝にくゝ
里るさげて置事なり何の介にも上合ニはゑの剣なる
何のとく御そんじと記し有るよく土人の物語なり
おかしくも興ありといふべし下板橋駅の板は縁切
の筆より此板高縄の名有り何もいま〳〵しき名
目を取歎せる事の替りあるは面白きを渡り水神の
小社有小宮氏の切寂せく虹の霊を祭りし斯とな
伊興村【足立区】