← 前のページ
ページ 38 / 218
次のページ →
翻刻
とのゝいたはりかしつき給すみかはこの君ものうくしてすきかましき
あた人なりさとにてもわかかたのしつらひまはゆくして君のいていりし給にう
ちつれてきこえ給つゝよるひるかくもうをもおそひをもろともにしておさ〳〵
たちをくれすいつくにてもまつはれきこえ給ほとにをのつからかしこまりも
えをかす心のうちにおもふこともかくしあへすなんむつれきこえ給けるつれ
〳〵とふりくらしてしめやかなるよひの雨に殿上にもおさ〳〵人すくなに御と
のゐ所もれいよりはのとやかなる心地するにおほとなふらちかくてふみともな
とみ給ちかきみつしなついろ〳〵のかみなるふみをひきいてゝ中將わりな
くゆかしけれはさりぬへきすこしはみせむかたはなるへきもこそとゆるし給は
ねはそのうちとけてかたはらいたしとおほされんこそゆかしけれをしなへたる
おほかたのかすならねとほと〳〵につけてかきかはしつゝもみ侍なんをのか
しゝうらめしきおり〳〵まちかほならむゆふくれなとのこそみ所はあらめとゑ
んすれはやむことなくせちにかくし給へきなとはかやうにおほそうなるみつし
なとにうちをきちらし給へくもあらすふかくとりをき給へかまれは二のまち
の心やすきなるへしかたはしつゝいるによくさま〳〵なるものともこそ侍けれ
とて心あてにそれかかれかなろとふなかにいひあつつもありもてはなれたるこ
とをも思ひよせてうたかふもをかしとおほせことすくなにてとかくまきらは
しつゝとりかくし給つそこにこそおほくつとへ給らめすこしみはやさてなんこ
のつしも心よくひらくへきとのたまへは御らむし所あらむこそかたく侍らめな
ときこえ給ふついてに女のこれはしもとなんつくましきはかたくもあるかなと
やう〳〵なむみ給へしるたゝうはへはかりのなさけにてはしりかきおりふしの
いらへ心えてうちしなとはかりはすいふんによろしきもおほかりとみ給れとそ
事まことにそのかたをとりいてんえらひにかならすもるましきはいとかたしや
事はかりをのかしゝ心をやりて人をはおとしめなとかたはらい
たき事おほかりおやなとたちそひもてあかめておひさきこもれるまとのうちな
るほとはたゝかたかとをきゝつたへて心をうこかすこともあめりかたちをかし
くうちおほときわかやかにてまきるゝことなきとはかなきすさひをも人まね
に心をいるゝ事もあるにをのつからひとつゆへつけていつる事もありみる人