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コレクション: STAGE8

安政大地震畧記 全 - 翻刻

安政大地震畧記 全 - ページ 13

ページ: 13

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青海原津浪軍記 天なる哉命なる哉頃(なころ)は安政三辰ノ八月廿五日 青海原(あをうなばら)の住(ぢう)にん 竜巻津浪(たつまきつなみ)の助 寄高(よせたか)と云者 乱入(らんにう)して人民(じんみん)をおどろかせし 其 根元(こんげん)を尋(たぐ)るに去ㇽ卯十月おのれが剛力慢心(がうりきまんしn)より起(おこ)り多 の家蔵 堂社(どうしや)をおびやかせし鯰(なまづ)の判官揺高(はんかんゆりたか)が一子 小揺(こゆり)の 冠者髭長父(かんじやひげながちゝ)の逆意(きやくい)一 時(じ)に亡(ほろ)び剰蒲焼(あまつさへかばやき)が原におゐて八ッ ざきの上火あぶりの刑(けい)に行(おこなは)れ余類(よるい)の小鯰ども迄 虜(とりこ)と相成 いまた所々の蒲焼屋敷において水 牢(らう)の内にぬら〳〵となけき 暮(くら)すよしもれ聞髭長(きこへひげなが)つら〳〵考(かんがえ)見るに父揺高(ちゝゆりたか)が企(くはたて)事成ら ざるうへ余類(よるい)の者迄かく身心(しんしん)を苦(くる)しむる事見るに忍(しの)びす何卒 是をすくひ出し折よくば父の存(ぞん)意も達(たつ)せんと思へども我レ若輩(じやくはい) の身其上はか〴〵じき味方の者も有(あら)ざれば爰(こゝ)に津浪の助の 執権荒浪(しつけんあらなみ)大之進が娘我が妻たるこそ幸ひなれひそかに荒浪を 頼(たのみ)津浪之助に此ことを計(はか)る津浪之助いふやう我天地風雲の間 を一統(いつとう)して竜宮城へ直勤(ぎききん)のものなれば人民の苦(くる)しむ一揆(いつき)同前の 者共には組しがたし然りといへ共 亡父(ばうふ)の跡(あと)をしたひ臣下のくるし 身を嘆(なけ)く志(こゝろざし)を憐み我手勢をかし遣さん急(いそ)ぎげき文を 廻すべしと下知ありたるにてぜひなけれ扨其 詞(ことば)に随(したか)ひはせ 集(あつま)る面々には冨士の早ての守風成伊奈佐南之 進沖(しんおき)寄 つむじ巻太郎鎌足浅間左右衛門 寒風(さむかぜ)秋雨 降(ふり)蔵辻風早 太郎雨野長左衛門秋村しばしおくれて馳(はせ)来る若大将には雷 五郎左衛門が一ッ子五郎丸其外一騎当千の兵雲霞(つわものうんか)のの如くはせ 集(あつま)る軍議練り兼而夜打と相定む扨其明日を考(かんがふ)るに 八朔二百十日は何国もゆだんなき折なれば其日は平和に暮