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コレクション: とりあえず気になる

一休はなし(寛文八) - 翻刻

一休はなし(寛文八) - ページ 88

ページ: 88

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【OCRのままです】 まつさへこよびは一夜とまれと。かなに仰られける。な らずあの寺へ参り給ふなと二心なきいけんをくり返 し申ける。夫はさる者にて手を打てわらひ。さりとては 仏なり。なんぢがかくいふもことはり也。よく思ひ見よ。いかなる たんな ものにてもわれをたのむ且なの女房に。なれ〳〵し しゆつけ げなく。一夜とまれとは中〳〵出家の身にていひがたし。 こんじやうどしやう よし一休和尚と枕をならべは今生後生のうつたへ成べし 我等をかね侍らず。悪き行て一夜あそび給へるに〳〵の 誓言ぞ我等のねたみ心はなしと申せば。左あらば引かへ し参るべし御よろこび有べしと申ければ。つそぎ参り て。ゆる〳〵と一体和問をなぐさめ給へと申ければ。女房 よろこび一番所へ立こもり白粉口紅きつねのばけ たるごとく引つくろひ衣裳をかざりていそぎ輿にうち 我一休へこそ参りけれ一休はや寝給ひしに門ほ と〳〵と招一休おどろき立出給へば彼女いかにてほそ 〳〵としたる聲にて。さきには是非と仰られければ 夫の心うるゞはしくてふりきり立かへりし。あまり御残た くて夫にいとまをこひ候へは苦しからしと申侍るゆへどまへどま りかけて御はつかしながら参りけると申ければ。一休体や 〳〵もはやいやにて候御帰あれ先程はこなたへ心かふし り候が。はや心かゝらず。はや御かへりあれ〳〵とて門 戸かたくしめて音もせず。さりと 戸かたくしめて帝もせずざりとては御なぶつも誰かと