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コレクション: とりあえず気になる

一休はなし(寛文八) - 翻刻

一休はなし(寛文八) - ページ 94

ページ: 94

翻刻

【OCRのままです】 思てぬさきやほどけならん 思はぬさきやほどけなるらん とあそばしければ。一休よろこび給ひてどりあへ ず一首侍り給ひける いまはゝやこゝろにかゝる雲もなし 月といるへき山しなけれと と侍りていよ〳〵御工夫尤も〳〵とてかへり給ひける となりたり となか ぶつほう 【新右衛門仏法物語の事 付 扇に五戒或事】 『十』或時蛙川の新右衛門来りて仏法ばなしなどしてあ そびゐけるに一休の仰られけるはいま時の出家こゝろさし うすく仏は五百戒をさへたもち給ひしとかやせめて其あ とりの五戒をば。よくたもつぺきことなり。とのたまへば新右衛門 申されけるは。まことに沙門は申におよはず。俗の上にもせ めて五戒はたもちたき事に候と申すに一休いかぬ 俗は是非なき事也出家にはもたせたく思ふ也去なる 目に見え。耳に聞ゆるもの。五戒をたもつ事なし。わづか なる一尺の扇子さへ五戒をやぶる上は。まして僧俗生 とし生るものとして五戒をたもたざるにはことはり也と仰 られければ新右衛門申されけるは此扇子も五戒をやは。 り申や。中〳〵やぶりたり。是は又和尚の出来口にて 侍らん。いでゑ戒を一々とひたてまつるべし。こたへてきか しめ給へいつもの御頓作の御かるはうけたまはらんとも 申ければ。さらば一々とひ給へ答て見申べし新右衛門同