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コレクション: とりあえず気になる

一休はなし(寛文八) - 翻刻

一休はなし(寛文八) - ページ 96

ページ: 96

翻刻

【OCRのままです】 此人狗子とは。犬の子なり。是に仏性とも合点は何とも合点は いらずと申ければ聞て見たまへとて仰られけるは 犬の子にあやかる人のしわざこそ ほとけともなれ地ごくへも入れ むかひ殿の犬子ろはまだ目があかぬかおつぼにまゝ 入てころ〳〵〳〵や と仰られけれはいま目があきて候・扨 狗子(くし)の所はやう〳〵 いまめがあき候が趣列の有無の所は千年の一夫仕候也 愚痴の我等は得道仕る事はなりがたしと申けれは。哥よ みて聞すべし此哥をつねに吟じて心得て見られより なしといへばなしとや人のおもふらむ こたへもそする山びこのこゑ ありといへはありとや人のおもふらん こたへてもなき山ひこのこゑ とあそばしければ彼者しばらく工夫してしからばあり ともなしともしれぬにて御ざ候かと申けれは 有無をのする生死のうみのあまをふね 底ぬけて後有無もたまらず と仰られければ彼人此哥にて跡心して一首 有無そしるなにおもひけむ賄列も なかりしさきの犬の一こゑ と申けれは一休聞給ひておつぼのまを二口まいりける