翻刻
ハその頭ハ「チステル。ヒンキ」の如くにして体ハ「カナアリヤ」鳥の如し
しかれとも其囀声あしき事なしおよそ此鳥雛を生
んとするの候に至らは蟻の卵を餌ふをよしとす又或ハ廉
の実の類を食しむ又此鳥病ありて既に腫物を生する
事あらは雌鶏の脂を塗るへし若その腫物熟して潰れ
傷するとも又彼をしは〳〵久しく塗りてついによく
これを治すへし又或ハ此鳥の羽毛に虫つく事あり
此時ハ瓜の種を以て是にあたへ毎日三度ツゝ酒を以て其
羽毛をしめし和らけて日光のあたる所におくへし凡此
鳥の雄なるものハ囀なるものに比すれハ身体細長にして
尾長く囀声最も美なりといふ
雞石の説
雞石は其大きさ豆の如く質透明にして恰も水晶の如
し是生れて四歳を経たる雞の肝に於て時として
是得るなり是甚貴玉へきものにして戦闘場なと
に臨てもこれを口中に含めはよく渇を止め且よく敵
に勝といふ
日を神とする説
韃靼曠漠の地に一部落あり「バレタイ」といふ其人常に日を
以て神として毎事是を祷る又哆囉縅の赤きものを
円く裁して空に懸け日の像也といふて是を拝す
となり