みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE9

西洋雜記 坤 - 翻刻

西洋雜記 坤 - ページ 10

ページ: 10

翻刻

ハその頭ハ「チステル。ヒンキ」の如くにして体ハ「カナアリヤ」鳥の如し しかれとも其囀声あしき事なしおよそ此鳥雛を生 んとするの候に至らは蟻の卵を餌ふをよしとす又或ハ廉 の実の類を食しむ又此鳥病ありて既に腫物を生する 事あらは雌鶏の脂を塗るへし若その腫物熟して潰れ 傷するとも又彼をしは〳〵久しく塗りてついによく これを治すへし又或ハ此鳥の羽毛に虫つく事あり 此時ハ瓜の種を以て是にあたへ毎日三度ツゝ酒を以て其 羽毛をしめし和らけて日光のあたる所におくへし凡此 鳥の雄なるものハ囀なるものに比すれハ身体細長にして 尾長く囀声最も美なりといふ    雞石の説 雞石は其大きさ豆の如く質透明にして恰も水晶の如 し是生れて四歳を経たる雞の肝に於て時として 是得るなり是甚貴玉へきものにして戦闘場なと に臨てもこれを口中に含めはよく渇を止め且よく敵 に勝といふ    日を神とする説 韃靼曠漠の地に一部落あり「バレタイ」といふ其人常に日を 以て神として毎事是を祷る又哆囉縅の赤きものを 円く裁して空に懸け日の像也といふて是を拝す となり