翻刻
容易なる諸良方の説
「リュツデマン」か撰する所の奇方秘苑の中に所載の諸般の
病を治する捿往なる方頗多ししかれとも其内の薬
料我邦になき所の物も又少からす今其中に於ても
なしやすき教條を採て茲に録す皆此方に於ていまた
試さるものにして且土地の性によりて其物の功又異な
らんかも知るへからすといへとも若夫是を以て効を得る
事あらハ亦一大幸なり
一歯痛を治する方
阿片翹揺子末となして痛む所の歯上におくへし
則よくいたみを去るなり
又一方
雀の雛の未タ巣中に在て飛ふ事あたはさるも
のを取て焼て細末にして貯ふへし此末を酢に
てよくときていたむ所の歯に塗るへし是甚的実
なる良方にしてはみかきの中にましへて恒に用ゆれ
ハ又佳なり
一痢疾を治する方
肉豆蔲油をあたゝめて臍に塗るへし
一血痢を治する方
穀いよ〳〵古けれハいよ〳〵佳なり是を細末にし
て日に三度服すへし是甚効あるの良方二し