翻刻
水に入て火をつよくして是を煮て布巾の類
を以て其水に浸して日に二度其患処を洗ふへし
西洋画に譬論有ㇽ説
彼国の画譬論をなすもの多したとへハ書籍の首
にその撰者の像を図して傍に「エンゲル」《割書:毣ある|天人》を画を或は
笛を吹く形と有ハ「エンゲル」の遠く飛ひ笛声の遥に
達するか如くその人の声価遠聞の意に取る也又
「マアリン」と云人ハ「フランス」国の生れにて「フランス」語と和蘭語
を集めたる釈辞書を著せり其後和蘭の人「ハルマ」と云もの是
を訂正して又釈辞書を著せりその始めの国に上に「ハルマ」
の像を画の下に数箇の人「マアリン」を踏つふし傍に
臭気を避て鼻を掩ふの形あり是その踏つぶす
ものハ「マアリン」の書をすてゝ新に訂正するの意を示し
臭気を避るものハ「マアリン」の書は紛雑してよからさる
といふ事を示すこゝろなり其外如此の類頗多し
又彼那に昔よりして「ヒツポセンタウリュス」といへる異形の像
有り是その半身ハ人にして半身ハ馬なり是ハ上古の世に
始て「テツサリア」国《割書:地キリイキス」|二属ス》をひらきたる人なり此人其地
にいたりし時馬に騎れりその時「テツサリヤ」の地に至り
た馬といふものなり故に土人是を見て大に驚怪して人
馬合して一体なりと思へり其後此人その土人をして教
化せしめ大に徳を施して人皆是に懐くこれによ