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コレクション: STAGE9

西洋雜記 坤 - 翻刻

西洋雜記 坤 - ページ 3

ページ: 3

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従す土地極て富僥にして物産多しその王都も又 「シヤム」てなく又「ヲデヤ」ともいふ「メナン」といへる河ありて 是を続り地勢恰も島の如し其城郭広大にして人民 蕃鹿凡そ四十万家有りその王むかしよりして子孫 相経てその国を領す王官の制極て美麗親衛の兵 恒に五万人を備ふ土人ハ皆仏法を崇信すと云《割書:以上皆西洋|の書所載》 寛永中に播州の人宗心なるもの再ひ此国に渡海すその 宗心か話を書したる渡天物語といふ書一巻あり《割書:宗心ハ則チ|世二所謂》 《割書:天竺徳兵衛なり此書宋心か自ら記す所にハあらす宝永四年に或人|宗心か談話する所を記するもの也此時宗心年八十九歳と云》其書中 に所記風俗物産の類も左もあるへきなれとも地理古跡等を 記し所ハ甚疑ふへくして信するにたらす《割書:その書中|に云某地ハ》 《割書:達磨出生の地なり某地ハ摩迦陀国なりなとゝいふ事甚疑ふへし又云「ウリヒス|ウ」といふ城あり此所むかし空海と文殊智恵論せし所也と云し此説何により》 《割書:ていひたりにや凡そ昔よりして日本の諸僧渡天せしといふハ皆偽なり唯|入唐して学問したるのミ日本に帰りて後に我は渡天したりなとゝいゝて人》 《割書:を欺き信せしめたる也いはんや空海ハ唐天にて名誉をあらわしたる人なれ|とも渡天の事ハ空海の自作の諸公並にたしかなる実録にハなき事なり》 《割書:是等にて考|へ知へし》而してその宗心か携へ来りし多羅葉に文字を 記せしもの浪美の蒹葭堂も其一葉を蔵すと云又東 都の本多氏も一葉を蔵す予盤水先生の許にて一見す 並に暹羅国の文字なりといふ細き針の如きものを以て 葉上に刻画したるものなり其字左の如し