翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

娜二代鉢木 5巻 - 翻刻

娜二代鉢木 5巻 - ページ 24

ページ: 24

翻刻

【右頁 左上】 これによって はとりひめ 此所にいる事 かなわずま又は はれつぐがことば のはしに羽衣の ありかをさとりくらんどゝ打つれ 出て行かとり両人のおち行 事きね八がわざ也とせめといければくるしさのあまりのばたのかたへといふ 【右頁 中央】 かとりひめいかゝ の事にや此ほと にはかにりんき しつとの心つよく はとり姫をおい出す 【右頁 右端中段】 やれ〳〵おそろしい けんまくじや 【右頁 右端下】 のばたのいけへいかれました 御めん〳〵 【左頁 右上】 ひな蔵はとりひめの事きづ かわしく□□所をば左衛門まち うけ両人つかみあふ 【左頁 右下】 ちからはなけれどおのれにまけるものかあゝいた〳〵 かすやらうめ□□あすぞかくごひろげた 【左頁 左上】 かとり□の 此ごろの ていでは みづ からを ころそうと なされ ましよぞへ 【左頁 左中】 それじや によつてつれて 立のく のじや

現代語訳

【右頁 左上】 このことにより、羽鳥姫はこの場所にいることができなくなった。また、晴次の言葉の端から羽衣の在り処を悟り、蔵人と連れ立って出て行く。この二人が落ちていくのは杵八の仕業だと責め立てられ、苦しさのあまり「野幅の方へ」と答える。 【右頁 中央】 香取姫はどういうことか、このところ急に嫉妬深くなり、羽鳥姫を追い出してしまう。 【右頁 右端中段】 「やれやれ、恐ろしい剣幕だ。」 【右頁 右端下】 「野幅の池へ行かれました。ご免なさい。」 【左頁 右上】 雛蔵は羽鳥姫のことを気遣わしく思っているところを、馬左衛門が待ち受けており、両人がつかみ合いになる。 【左頁 右下】 「力はないが、お前に負けるものか。ああ痛い痛い。この野郎め、明日こそ覚悟を決めろ。」 【左頁 左上】 「香取姫の最近の様子では、自分を殺そうとなさいましょうぞ。」 【左頁 左中】 「それゆえ、連れて立ち退くのです。」

英語訳

【Right page, upper left】 Due to this, Habitori-hime can no longer remain in this place. Also, from hints in Haretsugu's words, she realizes where the feathered robe is and departs together with Kurando. When blamed that these two people's departure is Kinehachi's doing, in his distress he answers "toward Nobata." 【Right page, center】 For some reason, Katori-hime has suddenly become intensely jealous and drives Habitori-hime away. 【Right page, right edge, middle】 "Oh my, what a terrifying fury." 【Right page, right edge, bottom】 "She went to Nobata pond. I'm sorry." 【Left page, upper right】 Hinazō is worrying about Habitori-hime when Umazaemon lies in wait for him, and the two men grapple with each other. 【Left page, lower right】 "I may not have strength, but I won't lose to you. Ah, it hurts, it hurts. You scoundrel, tomorrow you must be prepared." 【Left page, upper left】 "Given Katori-hime's recent behavior, she will likely try to kill herself." 【Left page, left center】 "That is why we must take her and depart."