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コレクション: 漂流記コレクション

漂流人善助聞書 - 翻刻

漂流人善助聞書 - ページ 11

ページ: 11

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【右丁】  野宿之節ハ牛之皮を敷相臥食物者召仕体之者ニ  為持候道具を出し小麦粉の團子燒鳥等を拵一同食  事仕五月廿一日頃濱邊江出候処家数七十軒程も有  之所江着致し申候尤道中六日路此里数凡九十里  斗ニ覚へ申候 一右家江罷在之内日数五十日程相立候と覚七月十日朝  六ツ時頃辰巳風吹出し追々大風ニ相成村内凡十五  軒程も吹倒し且沖合ニ難舩も有之趣ニ而所々人々  濱邊江出候ニ付私も見物ニ罷出候処右濱邊ゟ七丁程沖ニ 【左丁】  凡壱里半程之離れ嶋ケ有之右嶋江最初乗移候  外国舩被吹付致破舩翌日ニ相成乗組之者共十五人  程端舩ニ乗地方江乗付上陸いたし候ニ付最初見  知之舩頭水主体之者共江前段外国舩ニ残り居候岩  枩勘次郎三平要蔵四人者共者如何致候哉と手真  似致色々相尋候へ共詞相分不申右外国人共ハ此所ニ  十日程逗留いたし外之小舩ヲ借受候 趣(ヲモムキ)右舩江  乗組何方江欤出帆いたし候私儀者此處ニ而猶又  凡百日程逗留致し居候《割書:此所之家造幷ニ人体食物等|前段同様ニ御座候》

現代語訳

【右丁】 野宿の際は牛の皮を敷いて横になり、食物は召使いのような者に持たせていた道具を出して、小麦粉の団子、焼き鳥等を作り、一同で食事をしました。五月二十一日頃、浜辺に出たところ、家数七十軒程もある所に着きました。もっとも道中六日間で、この里数はおよそ九十里ほどと覚えています。 一、その家にいる間に日数五十日程経ったと思われ、七月十日朝六つ時頃、辰巳風が吹き出し、だんだん大風になって村内およそ十五軒程も吹き倒し、かつ沖合いに難船もあった様子で、所々の人々が浜辺に出てきたので、私も見物に出かけたところ、その浜辺から七町程沖に 【左丁】 およそ一里半程離れた島があり、その島に最初乗り移った外国船が吹き付けられて破船しました。翌日になって乗組員たち十五人程が端船に乗って地方に乗り付け上陸したので、最初見知った船頭や水主のような者たちに、前段の外国船に残っていた岩松、勘次郎、三平、要蔵の四人はどうなったかと手真似で色々と尋ねましたが、言葉が分からず、その外国人たちはこの所に十日程逗留して他の小船を借り受けた様子で、その船に乗り組んでどこかへ出帆しました。私はこの処でなお再びおよそ百日程逗留していました《割書:この所の家造り並びに人体、食物等は前段同様でございます》。