翻刻
【虚字 女+男四人が取り囲む字は「まわり」と訓、男+女四人は「じんきよ」と訓む】
【本文】女をば男とりまくまわり也女とりまくときはじんきょよ
/悪者(わるもの)三四人/云(いひ)あはせ
/此(この)ごろめつきりと/色(いろ)けづいたる
/娘(むすめ)が/通(とふ)りかゝる所を/待(まち)
あはせ「コウあねさんいゝことを
おせへてやるから一寸(ちよつと)こつちへ
きなと手を/引(ひつ)ぱられ
/娘(むすめ)はびつくりして/見(み)れば
あらくれなき/大(だい)の男
おやしたてゝ/取(とり)まくに
おどろき「アん
はなしておくん
なさいましよ
ト/逃(にげ)やうと
するを手取(てどり)
/足取(あしどり)人なき
/松原(まつばら)へかつぎ
こみいゝ/事(こと)とは
/此(この)ことだと/大(おほ)ぜい
よつて/股(また)ぐらを
引ぱたけはいらぬ
やつをむりやりにつばき
/物しておし/込(こ)み四人が三ばん
ヅゝとぼして/廻(まは)られ/娘(むすめ)は
/気(き)ぬけのやうにぼうぜんと
して/腰(こし)もぶら〳〵さればたとへ
にもつまらぬかほして/居(ゐ)るをかゞツ
/原(はら)でまはりをとられたやうだと云也
【右下吹出し】「アゝどうもまらがはちきれるやうにおへてこてへられねへ
くちでもすつてやらう
【左下吹出し】「はやくかはらねへかまらがひだるがつてすまくしている
「コレサそらあごをひつかまねへでおれのまらをつかんでみな