翻刻
【虚字 扁に「常」の三文字、旁は「妻」で訓は「やきもち」、同じく常の扁に「下女」で訓は「くじる」、常扁に「丁稚」の合字で訓は「せんずり」 】にようぼうのつねはやきもち下女くじるてつちのつねはせんずりと
【本文】にてもおへぬといふことなし
○さて/独身男寝起(どくしんをとこねおき)なぞにむだ
まらおへて手におへ
ぬ/時(とき)はテにぎり
ぐつとにぎるべし
なへること/妙(めう)なり
○是をやわ〳〵にぎりて扱
ときはついどく〳〵ときがいく也
是せんずりとよむ
○やきもちりん
きの/異名(いみやう)にて
なべて/女房(にようぼう)の
つねとしるべし
○さているれの下女も
はたちより三十/前後(ぜんご)
いづれよがり
ざかりの/年(とし)
ごろ/一人寝(ひとりね)
のつれ〴〵
かんにんならず
/毎夜(まいよ)わが/指(ゆび)を入て
/気(き)をやる事いづくの
下女も/同(おな)じ事なれば
/是(これ)なを下女の/常(つね)としてくじるとはよむ事也
○/丁稚(でつち)もしたがりとて/顏(かほ)ににきび
の/出来(でき)るころより/毎夜(まいよ)のせん
ずり/常(つね)の事なり
【右丁吹出し】
「どうもこのとふりへのこがおれそうだ
をがむ〳〵
「だれだとおもつたびつくりしたはな
これむりなてをしなさんな