翻刻!草双紙の世界

コレクション: NDL鳥居清長

頓作時雨月 3巻 - 翻刻

頓作時雨月 3巻 - ページ 5

ページ: 5

翻刻

さてもてん〳〵は ゆめさめわがやへかへりむちう【夢中】にかみ〳〵の御つげありししだい つくつくおもひまは し大きにちからをおとしけるはもししよこくどら【諸国道楽】べつして【別して】かまくら ぢうのうはき【浮気】 てあいが心をあら ためみもち【身持ち】 けんやう【眷養?】ぎやう ぎ【行儀】たゞしく なり ては おはい 〳〵【「おはいはい」=「お」は接頭語。「はいはい」は応答の声を表わす。人にこびへつらい、追従(ついしょう)すること。またその者をあざけっていう語。「太鼓持ち」はそういう風にみられていました。】かたいこ もち御【?】 しやうばいはあがつたり大 みやうじん【大明神】なればいかゞせんと あんじ わづらふ これはこ まつた ものどう せうじ【道成寺】の ぢうそう【住僧】と きたは 【左頁】 びんぼうがみ てん〳〵が あん【庵】へ たづねきたり あんない する こゝじや し

現代語訳

さて天々は夢から覚めて我が家へ帰り、夢の中で神々のお告げがあった次第をつくづくと思い巡らしていると、大いに力を落としてしまった。というのも、もし諸国の道楽者、とりわけ鎌倉中の浮気な手合いが心を改め、身持ちや教養、行儀を正しくしてしまったら、おべっか使いや太鼓持ちの商売は上がったりで、大明神なのにどうしようかと案じ煩っている。 これは困ったものだと、道成寺の住職と北は... 【左頁】 貧乏神が天々の庵を訪ねてきて、案内を求める。 ここじゃし

英語訳

Now Ten-ten awoke from his dream and returned home, pondering deeply over the divine revelation he had received from the gods in his dream, and he became greatly disheartened. This was because if the pleasure-seekers throughout the provinces, especially the frivolous types in Kamakura, were to reform their hearts and correct their conduct, education, and manners, then the business of flatterers and toadies would be ruined. Despite being a great deity himself, he was troubled about what to do. "This is quite a problem," he thought, along with the head priest of Dōjōji Temple and Kita... [Left page] The God of Poverty comes to visit Ten-ten's hermitage and requests an audience. Here it is...