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も絶るばかりに高く峙(そばた)ち古木森然として僅(わづか)に歩を通ず絶
頂の風景は三面ほがらかにして蒼海の無辺無涯を眺(のぞ)み西は
伊勢の朝熊嶽神島志摩の日和(ひより)山まで見え渡り東南は
三河の佐久島かち島 伊良古(いらこ)崎遠く海中に出て翠帯(すいたい)
を引がごとくまた朗晴の時は此方に当りて富士の雪碧海の末
に浮び近くは篠(しの)島 日間賀(ひまか)島野島松島大磯島鷲渡島 鳶(とび)
崎島平島かもめ島木島つくみ島鼠島内地島ゑびす島等を
はじめ其余の小島は数をしらず枰面に棋子(きし)を布(し)けるが如きも
只一瞬息にして双眸に入る山水の勝概実に此地にまさるはなし
此 麓(ふもと)に小高き石山あり土人 日和(ひより)山と称し近き頃其山上に
支干(ゑと)を彫たる石を居(す)え方位を定て風雲晴雨を候(うかゞ)ひ船路
の便とす是又海天を望む無碍(むげ)の佳境なり又此辺にて鯨(くじら)
を捕ることあり漁船数十艘おの〳〵■(もり)【叉ヵ】をもつて突留(つきと)めこれを捕