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《割書:_レ 涙 祠 畔 猶 余 連 理 枝》
《割書:堅並集》
粟の穂にわれからと鳴虫もかな 琴宇
薄煙る草や粟手の夜のつゆ 松兄
秋もはや暮るやうなり鳥の声 天老
権(かり)薬師《割書:上萱津村にありて|正法寺の隠居所也》本尊《割書:薬師如来聖徳太子の御作|にして藤姫の守本尊なり》藤姫位
牌一基《割書:大空了覚信女位うらに宝亀十一年八月十四日|とあり上の方に三ッ巴の紋見えたり》
《割書:仮薬師にて》
竹の葉のほろつく昼のきぬた哉 白図
秋の雨むしろ四五枚たゝみけり 少汝
柴の戸の紅葉になれし夕かな 岱青
日東山正法寺《割書:同村にあり曹洞宗|熱田法持寺末》本尊《割書:正観音|の木像》寺宝《割書:藤姫|の面》鉦《割書:藤姫|の所》
《割書:持》阿波手森謡本《割書:古写本|一冊》縁起に云当寺は天平勝宝年中
唐僧 東岩(とうがん)和尚を以 肇創(てうそう)の師とし元和元卯年今の宗
旨に改め法持寺の八世月峰 慶呑(けいどん)和尚を以中興の開山と
現代語訳
《涙なくして、祠のほとりにはなお連理の枝が残っている》
《堅並集》
粟の穂にわれからと鳴く虫もいることよ 琴宇
薄く煙る草や粟手の夜の露 松兄
秋もはや暮れるようである、鳥の声 天老
権薬師《上萱津村にあって、正法寺の隠居所である》本尊《薬師如来、聖徳太子の御作で、藤姫の守本尊である》藤姫の位牌一基《「大空了覚信女位」と書かれ、裏に「宝亀十一年八月十四日」とあり、上の方に三つ巴の紋が見える》
《仮薬師にて》
竹の葉のほろつく昼の砧かな 白図
秋の雨、むしろ四五枚畳みけり 少汝
柴の戸の紅葉になれた夕べかな 岱青
日東山正法寺《同村にあり、曹洞宗で熱田法持寺の末寺》本尊《正観音の木像》寺宝《藤姫の面》鉦《藤姫の所持品》阿波手森謡本《古写本一冊》
縁起によると、当寺は天平勝宝年中に唐僧東岩和尚を創建の師として始まり、元和元年(1615年)に現在の宗旨に改め、法持寺の八世月峰慶呑和尚を中興の開山とした。