Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション6

BnF. Département des Manuscrits. Japonais 375 - 翻刻

BnF. Département des Manuscrits. Japonais 375 - ページ 456

ページ: 456

翻刻

 《割書:_レ 涙 祠 畔 猶 余 連 理 枝》    《割書:堅並集》     粟の穂にわれからと鳴虫もかな   琴宇     薄煙る草や粟手の夜のつゆ     松兄     秋もはや暮るやうなり鳥の声    天老 権(かり)薬師《割書:上萱津村にありて|正法寺の隠居所也》本尊《割書:薬師如来聖徳太子の御作|にして藤姫の守本尊なり》藤姫位  牌一基《割書:大空了覚信女位うらに宝亀十一年八月十四日|とあり上の方に三ッ巴の紋見えたり》       《割書:仮薬師にて》     竹の葉のほろつく昼のきぬた哉   白図     秋の雨むしろ四五枚たゝみけり   少汝     柴の戸の紅葉になれし夕かな    岱青 日東山正法寺《割書:同村にあり曹洞宗|熱田法持寺末》本尊《割書:正観音|の木像》寺宝《割書:藤姫|の面》鉦《割書:藤姫|の所》  《割書:持》阿波手森謡本《割書:古写本|一冊》縁起に云当寺は天平勝宝年中  唐僧 東岩(とうがん)和尚を以 肇創(てうそう)の師とし元和元卯年今の宗  旨に改め法持寺の八世月峰 慶呑(けいどん)和尚を以中興の開山と

現代語訳

《涙なくして、祠のほとりにはなお連理の枝が残っている》 《堅並集》 粟の穂にわれからと鳴く虫もいることよ 琴宇 薄く煙る草や粟手の夜の露 松兄 秋もはや暮れるようである、鳥の声 天老 権薬師《上萱津村にあって、正法寺の隠居所である》本尊《薬師如来、聖徳太子の御作で、藤姫の守本尊である》藤姫の位牌一基《「大空了覚信女位」と書かれ、裏に「宝亀十一年八月十四日」とあり、上の方に三つ巴の紋が見える》 《仮薬師にて》 竹の葉のほろつく昼の砧かな 白図 秋の雨、むしろ四五枚畳みけり 少汝 柴の戸の紅葉になれた夕べかな 岱青 日東山正法寺《同村にあり、曹洞宗で熱田法持寺の末寺》本尊《正観音の木像》寺宝《藤姫の面》鉦《藤姫の所持品》阿波手森謡本《古写本一冊》 縁起によると、当寺は天平勝宝年中に唐僧東岩和尚を創建の師として始まり、元和元年(1615年)に現在の宗旨に改め、法持寺の八世月峰慶呑和尚を中興の開山とした。