翻刻
【絵画より右側】
に五五六七群かりし虎の
両眼より各〳〵一等に涙
を流し尾をふりて山路を
さして帰ぬ更に人をも
害せす傍をも見やらす
耳を垂れ尾を伏つゝ其
勢ひを忘れたりける有
様畜生とは申なからも説
法を心にしめして
貴くお■へるゆへ
ならすや
【絵画より左側】
又布袋和尚と申は是
弥勒菩薩の化身なり彼
菩薩と申は往昔は三僧
祇百大劫【三阿僧百大劫】の修行を勤て
等覚の位に至常に都
卒天の内院に御座し法
を説て諸の天人を導引
給ふ也此位に至りぬれはの
位とは生絹一重起隔てたる
かことくにして高悟の位也今
よりも五十六憶七千万年
の後天竺の鶏頭城といふ
国に天降り給りて龍花
樹といふ木の本にして正覚を
取構■里耶仏【仏の名よく分からない】と申す仏