東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: 学校教材発掘プロジェクト 7 増補頭書訓蒙図彙大成

増補頭書訓蒙図彙大成 10巻 6:巻之12-13 - 翻刻

増補頭書訓蒙図彙大成 10巻 6:巻之12-13 - ページ 32

ページ: 32

翻刻

【上段】 ○鴉(からす)は觜(はし)大(おゝい)にしてむ さぼる事を好(このむ)黒焼(くろやき) にしてやせ病(やまひ)欬嗽(がいそう) 労疾(らうしつ)を治(ぢ)す ○烏(からす)は觜(はし)ほそく鴉(あ) より小なり生れて 母(はゝ)哺(くゝむる)こと六十日巣(す)だ ちして母(はゝ)を哺(くゝむる)こと 六十日よつて慈烏(じう)と云 ○鳶(とび)は鷹(たか)に似(に)たり 鴟(てい)同 黒焼(くろやき)にして 頭風(づふう)を治(ぢ)す ○怪鴟(よたか)はふくろうの たぐひにて夜出(よるいて)て 昼(ひる)はかくれ居(お)るかた ちは鷹(たか)に似(に)て小(ちいさ)し 不徉(ふしやう)の鳥(とり)なり ○角鴟(みゝづく)はかたちふく ろうにてちいさし頭(かしら) 目ねこのごとく毛角(もうかく) 両耳(りやうに)あり昼(ひる)ふして 夜(よる)いづる声(こゑ)老人(らうじん)の ものをよぶがごとし 【下段】 烏(う) からす 鳶(えん) とび 鴉(あ) からす 怪鴟(くはいし) よたか 角鴟(かくし) みゝづく

現代語訳

【上段】 ○鴎(カラス)は嘴が大きく、 貪欲なことを好む。黒焼き にして痩せ病、咳嗽、 労咳を治療する。 ○烏(カラス)は嘴が細く、鴎 より小さい。生まれて 母が餌を与えること六十日、巣立ち して母に餌を与えること 六十日。よって慈烏と言う。 ○鳶(トビ)は鷹に似ている。 鴟と同じ。黒焼きにして 頭風を治療する。 ○怪鴟(ヨタカ)はフクロウの 仲間で夜に出て 昼間は隠れている。形 は鷹に似て小さい。 不吉な鳥である。 ○角鴟(ミミズク)は形がフク ロウで小さい。頭、 目は猫のようで、毛でできた角が 両耳にある。昼間は伏して 夜に出る。声は老人が 物を呼ぶようである。 【下段】 烏(ウ) カラス 鳶(エン) トビ 鴎(ア) カラス 怪鴟(クワイシ) ヨタカ 角鴟(カクシ) ミミズク

英語訳

[Upper section] ○The A (crow/raven) has a large beak and likes to be greedy. When burned black it treats wasting diseases, coughing, and consumption. ○The U (crow) has a thin beak and is smaller than the A crow. After being born, the mother feeds it for sixty days, and after leaving the nest it feeds its mother for sixty days. Therefore it is called "jiū" (filial crow). ○The En (kite) resembles a hawk. Same as tei. When burned black it treats head wind ailments. ○The Kaishi (nightjar) is of the owl family, comes out at night and hides during the day. Its form resembles a hawk but smaller. It is an inauspicious bird. ○The Kakushi (horned owl) has the form of an owl but smaller. Its head and eyes are like a cat's, with hair-like horns on both ears. It lies down during the day and comes out at night. Its voice is like an old person calling for something. [Lower section] U (Crow) Karasu En (Kite) Tobi A (Crow/Raven) Karasu Kaishi (Nightjar) - Yotaka Kakushi (Horned Owl) Mimizuku