翻刻
御殿御長屋向ともに大造成御普請に候所
最初ゟ悉皆司及指図臨時之勤労
をも致候に付御小袖壱重銀子三十枚被
下置候事
一同八辰年二月
貞昭様御下向は勿論御政事向等凡而
御心得にも可相成儀は御物語仕御為宜
様御補助可仕旨同職一同従
恭定様御書付を以被 仰付且孫兵
衛義及年來五十郎義未御馴染も
薄く可在之候間一入乍繁多三郎兵衛義
勤番間近く可罷登旨被 仰出半
年置に罷登候事
一同年三月御勝手向之義年來心を尽
取計候に付平日操合方は勿論追々不止得
御入方も在之候得共無滞相調且此度不時
御除金之儀も彼是宜及指図不少金高も
御備に相成旁辛労致候に付弐百石御加
増被下置候事
但御物成之儀は永御扣置追而御時
現代語訳
御殿や御長屋向きともに大造成の御普請であったところ、最初から悉く司って指図を行い、臨時の勤労をも致したことにより、御小袖一重と銀子三十枚を下し置かれた件。
一、同八年辰年二月、貞昭様の御下向は勿論のこと、御政事向き等、凡そ御心得にもなるべき儀については御物語を仕り、御為によろしき様に御補助仕るべき旨を、同職一同から恭定様の御書付をもって仰せ付けられ、且つ孫兵衛義は年來のことであり、五十郎義は未だ御馴染みも薄くあるべく候間、一入繁多ながら三郎兵衛義は勤番間近く罷り登るべき旨を仰せ出され、半年置きに罷り登った件。
一、同年三月、御勝手向きの義について年來心を尽くして取り計らったことにより、平日の操合方は勿論のこと、追々やむを得ない御入方もあったけれども滞りなく相調い、且つこの度の不時の御除金の儀もあれこれとよく指図を行い、少なからぬ金高も御備えになったことなど、とりわけ辛労したことにより、二百石の御加増を下し置かれた件。
但し、御物成の儀については永く御控え置き、追って御時...