翻刻
ちゝうへのいけんを【父上の意見を】
まもりかたくりんきを【守り、固く悋気を】
たしなみたまへとも【嗜み給え共】
おつぼねとおくからうと【御局と奥家老と】
そふたんのゆめを見【相談の夢を見】
給ふ【給う】
〽おくづき石山甚太夫を【奥付、石山甚太夫を】
よびおつぎ〳〵の女中【呼び、おつぎおつぎの女中】
よりやいあれほどおなかの【寄合、あれほど御仲の】
よいごふうふ中大いそへ【良い御夫婦中、大磯へ】
ばかりおかよひなされ【ばかり御通いなされ】
なか〳〵わたくしども【中々私共】
なればたいていの【なれば大抵の】
りんき所ではあるまい【悋気所ではあるまい】
ごふくやへうろこの【呉服屋へ鱗の】
小そてをあつらへ【小袖をあつらへ】
ひたか川なら【日高川なら】
ちよきにでものつて【猪牙にでも乗って】
おつかけるにすこしも【追っかけるに、少しも】
おはらもたゝず【お腹も立たず?】
いかにしてもけいせいめか【いかにしても傾城めが】
にくいやつ【憎い奴、】
その女郎さい【その女郎さへ】
なければ【なければ、】
こふいふ【こういう】
事も【事も】
あるまい【あるまい、】
にくゝて【憎くて】
なり【なり】
ませぬ【なせぬ、】
どうそ
しやふは【仕様は】
ござり【御座り】
ます【ます】
まいかと【まいか、と】
そうだん【相談】
する【する。】
【右頁下】
ひめきみ【姫君】
くさそうしを【草双紙を】
よみかけとろ〳〵【読みかけ、とろとろ】
ねむり給ふ【眠り給う】
【左頁下】
ゆふぢよどもの
たらしをるは
このほうどもの
ふんべつにも
まいらぬ