翻刻
ひめきみ【姫君】
とろ〳〵と【とろとろ、と】
ねむり【眠り】
給ひ【給い】
おそろしき【恐ろしき】
ゆめにて【夢にて】
めをさまし【目を覚まし】
ちゝうへの【父上の】
ごいけん【御意見】
りんき【悋気】
しつとははづかしく【嫉妬は恥ずかしく】
うわきにもつゝしみ【浮気にも慎み】
給ひけれども【給いけれども】
こゝろにこゝろで【心に心で】
あいそかつき【愛想が尽き】
ごきぶんあしく【御気分悪しく】
おかほいろあしきゆへ【御顔色悪しき故】
みな〳〵おどろき【皆々驚き】
おくすりよ【御薬よ、】
おゆよと【御湯よ、と】
さわきけれど【騒ぎけれど】
うき〳〵とも
したまわず【し給わず】
おむづかるゆへあんしける【御憤る故、案じける。】
【左頁】
ひめ【姫】
きみ【君、】
人に【人に】
はなし【話】
たまわす【給わず】
たき【滝】
かわが【川が】
おもわく【思惑】
さぞや【嘸や】
つね〴〵【常々】
りんき【悋気】
ふかからんと【深からんと】
おもわんと【思わんと】
おぼしめし【思召し】
まいづるや【舞鶴屋】
までひそかに【まで密かに】
おつかいを【御使いを】
つかわされとのさまの【遣わされ、殿様の】
たひ〳〵御出あそはし【度々御出で遊ばし】
さぞなにか□
おせわと【御世話と】
れいながら【礼ながら】
たづね【訪ね】
来る【来る】
【左頁中】
〽はてめつらしいおきやくだおまへさま【はて、珍しい御客だ、御前様】
かどちがいては【門違いでは】
ござり【御座り】
ませぬか【ませぬか】