翻刻
方(かた)ならず恐(おそ)れしものなり当時(たうじ)は世(よ)の中(なか)。大(おほひ)に開(ひら)
け千万里(せんまんり)の遠方(えんぽう)をも見(み)るべき望遠鏡(とほめがね)を造(つく)り出(いだ)
し之(これ)を以(もつ)て天文(てんもん)を窺(うかゞ)ふゆへ彗星(はゝきほし)の尾(を)は湯気(ゆげ)の
如(ごと)き薄(うす)きものにて星(ほし)の体(たい)も殊(こと)の外(ほか)薄(うす)きものと
云(い)ふ其証拠(そのしやうこ)には星(ほし)の体(たい)を透(す)き通(とほ)し遠(とほ)き星(ほし)の光(ひかり)
を見(み)るべし尾(を)に至(いた)りては格別(かくべつ)軽(かろ)きものにて或(あ)
る天文家(てんもんか)その掛目(かけめ)を算(はか)り出(いだ)せしに二三十目位(にさんじうめぐらい)
もあるべしと云(い)へり彗星(はゝきほし)のうち体(たい)ありて尾(を)な
きものあり或(あるひ)は尾(を)ありて体(たい)なきものあり一尾(いちび)
を曳(ひ)くも
のあ
り
又(また)
六尾(ろくび)
を曳(ひ)く