翻刻
ひあり全(まつた)く此夜(このよ)に当(あた)り斯(かゝ)る発象(あらはれ)を見(み)しことあ
るより遂(つい)に邦俗(ほうぞく)となりたるならん
流星並(りうせいならび)に火(ひ)の玉(たま)の事(こと)
地球(ちきう)の日輪(にちりん)の周辺(まはり)を旋(めぐ)り全(まつたく)一年(いちねん)を経(へ)て再度元(ふたゝびもと)
の所(ところ)へ回(かへ)り来(く)るは同社(だうしや)の著述(ちよじゆつ)せる訓蒙窮理図(きんもうきうりづ)
解(かい)に詳(つまびら)かなれば爰(こゝ)に贅言(むだこと)せず却説(さて)日輪(にちりん)の周辺(まはり)
を旋(めぐ)り行(ゆ)くもの独(ひと)り地球(ちきう)のみならず水星金星(すいせいきんせい)
火星土星(くわせいどせい)木星天王星海王星(もくせいてんわうせいかいわうせい)とて七(なゝ)つの大(おほひ)なる星(ほし)
あり地球(ちきう)と合(あは)せ都合八(つがうや)つのものを八惑星(やつのまよひぼし)とは云(い)
ふなり此外(このほか)に七十三の
小き惑星(まよひぼし)と前(まへ)に云(い)へる
六百計りの彗星(はゝきぼし)ありて
同じく周(めぐ)り行(ゆく)ものなる
が又此外に幾百万(いくひやくまん)と数(かづ)
知(し)れず極(きは)めて小(ちいさ)き星(ほし)あ
りて旋(めぐ)り行(ゆ)き唯地(たゞち)の周(まは)
辺(り)を包(つゝ)める高(たか)さ四十五里計(しじうごりばか)りの空気(くうき)の中(なか)を通(とを)り
行(ゆ)く間(あいだ)此気(このき)と触(ふ)れ合(あ)ひ光(ひかり)を放(はな)つものあり此(これ)即(すなはち)