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コレクション: STAGE9

天変地異 - 翻刻

天変地異 - ページ 7

ページ: 7

翻刻

に名高(なたか)き英雄(ゑいゆう)なるが年少(としわか)の時(とき)より諸学(しよがく)に志(こゝろざし)を 潜(ひそ)め殊(こと)に越歴(ゑれきとる)の学問(がくもん)に秀(ひいで)て奥義(おうぎ)を極(きわ)めしより 電(いなびかり)も雷(かみなり)も皆(みな)越歴(ゑれきとる)の所作(しよさ)ならんと思付(おもひつ)き訖度(きつと)工(く) 夫(ふう)を廻(めぐ)らし彼(かの)千七百五十二年(せんしちひやくごじうにねん)我(わが)延享元年六月(えんきやうぐはんねんろくぐわつ) に至(いた)り雷雨(ゆうだち)の起(おこ)るを待(ま)ち紙鳶(たこ)を空中(くうちう)に放(はな)ちた  るに雲間(くもま)の越歴(えれきとる)。糸(いと)に伝(つた)はり種々(しゆ〴〵)の試験(ためし)に上(のぼ)せ  けるに聊(いさゝか)も尋常(じんしやう)の越歴(ゑれきとる)に異(こと)なることなきを発(はつ) 明(めい)せり欧羅巴(ようろつぱ)の学者(がくしや)も之(これ)を聞伝(きゝつた)へ又(また)同(おな)じく試(た) 験(め)したるに全(まつた)く「ふらんきりん」の説(せつ)に相違(さうい)なき より世(よ)の説(せつ)一変(いつへん)し電(いなひかり)は越歴(ゑれきとる)の火花(ひばな)にて雷(かみなり)は陽(よう) の越歴(ゑれきとる)と陰(いん)の越歴(ゑれきとる)と 合(あ)はんとするとき 脈(みやく)一(ひと)ツの間(あいだ)に二十八(にじうはち) 万里(まんり)の遠路(とうみち)を馳(は) するゆへ空(そら)の気(き)  遽(にわか)に其行跡(そのゆきあと)の空(くう) 所(しよ)を塞(ふさ)がんとする より響(ひゞき)を発(おこ)すと云ふ