翻刻
同然(どうぜん)なり。また盤面(ばんめん)
大成(たいせい)《割書:盤面大成の事|前章にくわし》の
時(とき)は。此見返の墨(すみ)を
五(ご)とも弦(けん)とも号(なづ)く
是(これ)即(すなはち)仮借(かしゃく)の縮(しう)なり
《割書:仮借とは。遠近広狭浅深|の術ともに。仮に借用ひて》
《割書:其術を成為せしむるを|いふ。即見返大成したる》
《割書:ときの号なり|右に述るごとく。一番に》
《割書:見込二番に見通三番に|再見四番に見返。次第を》
《割書:追て勤るときは。下に図|するごとく。盤面大成し》
《割書:て量地術の全体備はる。|是をもてはかるときは。》
《割書:千万里といへども立所に|其道程を知るべし》
【図の説明ここから】
見込(みこみ)
見通(みとをし)
附|再見(ふたみ)
見返(みかへし)
全図(ぜんづ)
㊀見込
《割書: |此見込ヲ四トモ股トモ名ク》
《割書:本座ヨリ目的マテノ眈視是ヲ見込ト云|是ハ本座ヨリ目的マテノ求程ノ地ナリ》
㊁見通
《割書: |此見通ヲ三トモ鈎トモ名ク》
《割書:本座ヨリ開地マテノ眈視是ヲ見通ト云|是ハ本座ヨリ開地マテノ開除ノ地ナリ》
㊂再見
《割書:開地ヨリ本座マテノ眈視是ヲ|再見ト云是ハ盤面ヲ方正ニ定》
《割書:ル法ノミニテ見込見通見返|ノ三法トハ其用同シカラス》
㊃見返
《割書: |此見返ヲ五トモ弦トモ名ク》
《割書:開地ヨリ目的マテノ眈視是ヲ見返ト云|是ハ開地ヨリ目的マテノ仮借ノ地ナリ》
【図の説明ここまで】
四品(しひん)の標(しるし)の事
四品(しひん)の印(しるし)とは。開(ひらき)印|残(のこす)印|係(つるき)印|種(たね)印の四種(ししゅ)なり。其作法|各(をの〳〵)
異別(ゐべつ)あり《割書:すべて印を立る事は。本座開地はいふに及はず。或は種子場。或は|小開場等。いづかたにても。其座を迂す所。其的を見る所には。毎所》
《割書:に是を立べし。又開印残印の二品は。毎術不レ用して不レ叶印なり。種印係印|の二品は。土地のかたちにより。時期のよろしきによりてもちゆべきなり》所謂(いはゆる)
開印《割書:見通の印|ともいふ》とは。本座に盤を居(すへ)。目的を見込(みこみ)てのち。開地(かいち)を求(もとむ)
るとき其よろしき場(ば)に此印を立(たて)て。本座より是を目|的(あて)に
して作法のことく《割書:作法とは。盤を平正に居。|定規をもて見こむを云》見通し。開地を定る
印なり。所謂(いはゆる)残(のこす)印《割書:本座の印|ともいふ》とは。本座にて見込見通の作法|畢(をはり)
りてのち。盤の隅(すみ)に此(この)印を残し置(をき)。然(しかう)して開地に移(うつ)り彼(かの)場所(ばしょ)
より此印を目当(めあて)として作法のごとく《割書:作法は右に|いふかことし》再見(ふたみ)し。盤の
平|正(しやう)を極(きはむ)る印なり。此(この)二品(にひん)の標(しるし)は毎|例(れい)かならず用べきなり。
所謂(いわゆる)係(つるき)印(しるし)とは。本座と開地との間(あいだ)に沼(ぬま)か河(かは)かありて。開地への