東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: 学校教材発掘プロジェクト8

伊勢物語大全 - 翻刻

伊勢物語大全 - ページ 11

ページ: 11

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【右丁・上段】 手ならひ 物よみ 【右丁・下段】 ふかゝりける人(なり平也)行《振り仮名:とふらひ|みつつうする也》けるを。《振り仮名:む月|正月也》の十日計の程に 外にかくれにけり《振り仮名:有所はきけど|女のかくれてある所也》人の行かよふべき所 にもあらざりけれは。《振り仮名:なをうし|なを〱物うし也》と思ひ《振り仮名:つゝなん|ほどをへたる心也》有ける。又 のとしのむ月に梅の花ざかりに。こぞをこひて。いきて 立て見。ゐてみ見れと。こぞににるべくもあらず。うちなきて《振り仮名:あば|あれたる也》 らなる板敷に。月のかたふく迄ふせりて。こぞを思ひ出てよめる 古今  月やあらぬ春や昔の春ならぬ我身ひとつはもとの身にして とよむで。夜のほの〴〵と明るになく〳〵帰りにけり 五 むかし男有けり。《振り仮名:ひんがしの|二条のきさきの事也》五条わたりにいと忍びて いきけり。《振り仮名:みそかなる|をんみつにしのふ所也》所なれは。かどよりもゑいらでわら はべのふみあけたる。ついぢのくづれよりかよひ けり。人しげくもあらねと。たひかさなりけれは。《振り仮名:あるし|そめ殿の后也》 きゝつけて。其かよひぢに。夜ごとに《振り仮名:人を|番をおかれし》すへて守らせ 【左丁・上段】 たかきもいやしきも。しらで かなはぬ事也。その外よみ ならふべきは哥書。まづ 百人一首《割書:定家郷小倉山|のしきしをかく》 伊勢物語 作者まへにいふことし 源氏物語 紫式部の作也 それより歌に心がけ有て 見るべき書。あまた有べし 代々(よゝ)の帝(みかと)の勅(ちよく)によりて 作(さく)なりし。古今集(こきんしう)後(ご) 撰集(せんしう)。拾遺(しうゐ)。後拾遺(ごしうゐ)。又は 金葉(きんえう)。詞花(しくわ)。千載集(せんざいしう)。新(しん) 《振り仮名:古と集|こきんしう》。これらをあつめて 八代集といふ。是に加(くは)へて 十三代。廿一代集あれ共 外題(げだい)をあらはすに及ばず