翻刻
【右丁・上段】
貝おほふ事是は源氏を
覚えねは成がたしげんじの
ゑを合するゆへ也貝合とは
いふべからす貝おほふと云也
かひ
かゆふ所?
【右丁・下段】
けれは。いけどもえあはでかへりける。さてよめる
古今 人しれぬ我通ひ路のせきもりは。よひ〳〵ごとにうちもねならん
とよめりけれは。いと《振り仮名:いたう心やみけり。|そめ殿の后あはれと思ひなり平をあはれ給ふ也》あるしゆるして
げり。二条の后にしのひて《振り仮名:参りける|なり平かよはれたる也》を。《振り仮名:よのきこへ|せけんのふうぜつ也》有
ければ。せうとたちの《振り仮名:まもらせ|番をせられし也》たまひけるとぞ
六
むかし男ありけり。女のえ(ヨ)う(ウ)まじかりけるを。年をへ
て《振り仮名:よばひ|いひかよふ事也》わたりけるを。《振り仮名:からう|しんらうして也》して《振り仮名:盗いで|二条の后を》ゝ。いとくらきに
きけり。あくた川といふ河を《振り仮名:いていき|ひきゐつれてゆく也》ければ草のうへにをき
たりける露を。かれは何ぞとなん男にとひける。ゆく
さき《振り仮名:おほく|とをき也》夜も更(ふけ)にけれは。鬼ある所ともしらで。《振り仮名:神さへ|かみなりさへ也》いと
いみじうなり。雨も《振り仮名:いたう|はなはたしう也》ふりけれは。あばらなる《振り仮名:くら|座#1の字也》に女
をはをくにおし入て。男弓やなぐひをおひて戸口におり
。はや夜もあけなんと思ひ《振り仮名:つゝゐたり|あかしかねたる也》けるに。おにはや
【左丁・上段】
正月朔日を元三と云
事はとしのはしめ月の始
日のはしめなるゆへに三の
もとゝいふ心也
五せつくといふ事正
月七日わかなのせつくと
いひてせつくのはしめ也
正月のてい