翻刻
【右丁・上段】
御厨子之図
黒棚之図
【右丁・下段】
新古今
君があたり見つゝおゝらんいこま山雲なかくしそ雨はふるとも
といひて見いだすに。からうして《振り仮名:やまと|なりひら也》人こんといへり
よろこびてまつに。たび〳〵すぎぬれば
君こんといひし夜ごとに過ぬれはたのまぬものゝ思ひつゝぞふる
といひけれど。《振り仮名:おとこ|なり平ゆかれぬ也》すまずなりにけり
廿四
昔男かたいなかに住けり。男みやづかへしにとてわかれをしみて行に
けるまゝにみとせこざりければ。待わびたりけるに。いと懇に《振り仮名:いひける|外のおとこ也》人
にこよひあはんとちぎりたりけるに。《振り仮名:此男|なりひら也》きたりけり。此戸明
たまへとたゝきけれど。あけで哥をなんよむて出したりける
あら玉の年のみとせを待わびて只こよひこそにいまくらすれ
といひいたしたりければ
あづさ弓まゆみつきゆみ年をへて我せしかごとうるはしみせよ
といひていなんとしけれは。をんな
【左丁・上段】
一 はんに庭銭(にはせん)次(つき)に
長持(なかもち)是に入べき物
御厨(みづし)子/棚(だな)のだうく
つぎに黒だなの道具
長持に入べしさて
呉服(ごふく)夜物(よるのもの)入之長持
小/袖(そで)単司(だんす)其外は手
道具入の長持有べし
白長持には台(だい)所だう
具入べし其次はつゞら
なかひ。ゐかう。屏風(びうふ)ばこ
貝桶(かひおけ)は一番にわたす
べし。しかれ共それ〳〵
当世の風俗(ふうぞく)にしたが
ひ身(しん)上さふおふのこし
らへ一がいにいひがたし