翻刻
【右丁・上段】
しうげんの夜はそさう成
ことをいはぬやうにたしなむ
べし。先いみことば有
さる。のく。わかれ。わかるゝ
はなれ。はなるゝ。きる
うすい。さむる。かへす。やる
あきました。もどしませふ
おくる。しまぬ。きらふ。いや
しりぞく。えんがない。むえん
ぜひにおよばぬ。惣じてか
さねていふことばあし
【右丁・下段】《振り仮名:|》
《振り仮名:といふをねたむ女|かくいふをゆへあらんとねたむ女もあると也》もありけりけり
三十二
むかし。物いひける女にとしごろありて
いにしへの賤のをたまきくりかへし昔を今になすよしもがな
といへりけれど。なにとも思はずやありけん
卅三
むかし。おとこつの国むばらのこほりにかよひける女。此たび
いきては。またはこじと思へるけしきなれば。おとこ
上句万葉
あしべよりみちくる塩のいやましに君に心を思ひますかな
かへし
こもり江に思ふ心をいかでかは舟さすさほのさしてしるべき
いなか人(ンド)のことにてはよしやあしや
卅四
むかし。おとこつれなかりける人のもとに
いへはえにいはねはむねにさはがれて心ひとつになげく頃かな
《振り仮名:をもなくていへ|おもてつれなくていへるにやと也》るなるへし
三十五
むかし。こゝろにもあらで。たえたる人のもとに
【左丁・上段】
挿絵
【左丁・下段】
挿絵